建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝150棟目 K邸 『佐古のいえ2015』


祝150棟目 建てようネットで建てた家

徳島市・K邸

佐古のいえ2015

建築家・鳥羽知夫+島出建築事務所

「普通」の中に潜む

「本質」を探す。

抽象的なイメージを一緒に紐解きながら

  実家が所有している敷地に新築することを決意したKさんご家族。建築家に興味を持っていたこともあり、奥さまと共に「建てようネット」へ。3名の建築家と面談した結果、鳥羽さんを指名した。

 本来、建築家は何らかの作家性を持っているもので、建主の要望をもとに、使い勝手や美しさを住まいの中に表現していく。しかし、Kさんが最初に出した要望は「普通の家にしてください」という過去に例のないものだった。

 「Kさんから渡された要望書には、気に入ったイメージの写真と合わせて、ご自身の今の住まいの様子も写真で伝えてくれました。はっきりと暮らし方を持ってる方であることが印象的でした」と鳥羽さん。

 話を重ねていきながら建主の持つイメージを共有した鳥羽さんは、ご夫婦が求める「普通」とは「自分たちの暮らし方が普通に出来て、落ち着ける家」であることだと結論を出す。

 「もともと自分自身、暮らし方を提案出来るようなタイプじゃないんです。なので、人の暮らし方には興味もあるし、素直に聞くことが出来るのかも」と鳥羽さん。一つの型を持たないからこそ、デザインの可能性は無限に広がる。

将来的な環境変化と共に進化する家

  「普通」という言葉で始まった家づくりだが、完成した住まいを見ると、建主の個性が随所に散りばめられている。

 印象的なのが、南側のリビングから見える眉山の風景。敷地は、建物が密集する街中の旧道沿いにも関わらず、雄大な景色を日々の暮らしに取り込んだ。四季によって表情を変える景色は、キッチンに立つ奥さまからも好評だ。

 しかし、状況が変化しやすいのも街中の土地。今は両隣の土地は空いているが、近い将来、建物が隣接して建ってしまう可能性は高い。「最初からその状況を意識して計画することで、マイナスとなる要素はなくなり、むしろ趣向が増すようにしました」と鳥羽さん。京町家のように奥行感が増し、玄関先の植栽は趣きのある坪庭として機能することとなる。

 また、奥さまがこだわったのは、家事動線。1階のキッチンと分けて、陽が良く当たる2階のベランダに、洗濯室、洗面室、お風呂を並べ、家事の負担を大きく減らした。「なぜ2階に水回りを配置する家が少ないのか不思議なくらい、使い勝手がいいんです」と笑顔を浮かべる。

 家族が発する言葉に耳を傾け、その本質を理解することで見えてくる空間デザイン。それは「普通」という言葉すら「個性」へと変える力を持っている。

Kさんの夢を叶えた建築家

[建築家]鳥羽知夫

1967年生まれ、血液型B型、牡羊座。近畿大学工学部建築学科卒。小川晋一都市建築設計事務所、中川建築デザイン室を経て独立。一級建築士。

 toba01

設計コンセプト

「旧道の趣が残る佐古通り。この場所で住み継ぐことを決意されたKさん。今の暮らしをそのまま入れ込む事が出来る家を目指しました。『普通』というのは基準がない言い方ですが、建築において、『普通の心地よさ』を作ることは実は一番難しいことのように思います。場所の持つ特性を素直に取り込み、Kさんの暮らしと合わせることで住みやすい『普通の家』になりました」

DSCF8142

北側に広くとったスペースには、庭や駐輪場を配置。両サイドに家が建った場合は、京町家のような趣をもった空間へと生まれ変わる。

北側に広くとったスペースには、庭や駐輪場を配置。両サイドに家が建った場合は、京町家のような趣をもった空間へと生まれ変わる。

家の南側には佐古川が流れる。リビングやキッチン、2階のベランダからは、この川を挟んで雄大な眉山の風景を見ることができる。

家の南側には佐古川が流れる。リビングやキッチン、2階のベランダからは、この川を挟んで雄大な眉山の風景を見ることができる。


DSCF8178

南側の窓に用いた障子が、優しい光をリビングへと届ける。全体的なデザインバランスを考えることで、和風に偏り過ぎないよう配慮している。

南側の窓に用いた障子が、優しい光をリビングへと届ける。全体的なデザインバランスを考えることで、和風に偏り過ぎないよう配慮している。

コンパクトにまとめられた1階のLDK。家具や食器棚などは、Kさんが持っていた調度品。いままでの暮らしが自然と馴染んでいる。

コンパクトにまとめられた1階のLDK。家具や食器棚などは、Kさんが持っていた調度品。いままでの暮らしが自然と馴染んでいる。


DSCF8184

リビング、和室、納戸と直接つながる玄関ホール。壁の手ぬぐい額やその下のイス、アンティークなタンスなどが空間デザインと見事にマッチしている。

リビング、和室、納戸と直接つながる玄関ホール。壁の手ぬぐい額やその下のイス、アンティークなタンスなどが空間デザインと見事にマッチしている。

洗濯室とお風呂をつなぐ2階の洗面スペースは、まるでリゾートホテルのような雰囲気。このこだわりが、日々の暮らしに豊かさを生んでいる。

洗濯室とお風呂をつなぐ2階の洗面スペースは、まるでリゾートホテルのような雰囲気。このこだわりが、日々の暮らしに豊かさを生んでいる。

建築データ

■家族構成 施主、妻、子ども2人

■構造 木造2階建て

■工法 在来工法

■敷地面積 243.0㎡(約73.63坪)

■延床面積 合計122.74㎡(約37.19坪)

      1階61.37㎡(約18.59坪)

      2階61.37㎡(約18.59坪)

■スケジュール 設計期間2013年9月~2014年11月

         施工期間2014年12月~2015年7月

■設計監理 鳥羽知夫建築設計事務所

■施工 島出建築事務所

K邸間取り

 勝瀬邸平面図画像

1 自転車置場

2 玄関ホール

3 和室

4 納戸

5 リビング・ダイニング

6 キッチン

7 デッキ

8 寝室

9 子供室

10 収納

11 洗濯室

12 洗面室

13 ベランダ