家づくりの流れ②

決定した建築家と家づくりが開始

建築家に依頼した場合の大まかな流れ

約6ヶ月

STEP.03 敷地調査土地探し

地盤の状態や、敷地がある用途地域、農地の転用などは家づくりを考える前に十分に確認を。
法の規制によって希望する家の実現が難しく思える場合も、建築家が解決策を提案してくれることもあるので、相談をしてみましょう。

STEP.04 基本設計

建築家が建て主からの要望や敷地などに対する建築基準法の条件を整理。どういう家にするかスケッチを何度か描いて、具体的なひとつの形を導き出していきます。

STEP.05 設計契約

建築家と正式に契約を結ぶ際には、「建築設計・監理業務委託契約書」を交わします。

STEP.06 基本設計

基本設計図は建て主が建物の全体を把握するために作られます。
建築工法、構造、階数、形、間取りなど、設計の骨格部分が決まります。
将来に備えて決めこみ過ぎず、後で手を加えられるおおらかさも残して。

STEP.07 実施設計

建て主が基本設計を了承したら、建築家は実施設計図を作成します。
実施設計の作成にも段階を踏んだ打ち合わせが行われます。
実施設計図は工事をするための詳細な図面で、これに沿って本見積もりが出されます。
この段階になって大きな変更をすると建築日程が大きく狂い、追加設計料が発生することにもなります。

STEP.08 建築確認申請

建建てる地域を管轄する市役所や土木事務所に、確認申請を提出、審査の後に法規に合致させるための訂正などを経て確認通知がおりて、はじめて着工できます。
地域や建物の構造、規模などによって確認申請そのものが不要な場合もあります。

STEP.09 工事見積もり依頼

実施設計で作成された設計図書をもとに、複数の工務店などから工事見積もりを取ります(競争見積)。

STEP.10 施工者を決める

見積もりをチェックし、施工者を決定します。
施工先を選ぶ際のアドバイスや協力も建築家の仕事のひとつです。
最終決断は建て主がします。

敷地のチェックポイント

1. 形状

高低差があったり、変形の、難しい敷地ではないか。

2. 広さ

希望する家を建てる十分な広さがあるか。

3. 地盤

軟弱地盤ではないか、何年前に造成された土地か、周囲に川や池がないか。

4. 設備の状況

電気、ガス、水道、ケーブルテレビやインターネットの引込状況。雨水、汚水、排水の状況。

5. 環境

日当たり、季節の風向き、湿気、自然環境、近所の建物や付き合い。

6. 地理

地域の歴史や新しさ、交通機関・学校・病院・商業施設などとの距離。

7. 将来性

近くに大きな道路や施設ができるなど、将来周囲の環境が変わる可能性。

*建築に敷地の測量(道路幅員、土地の高低、電柱の位置、隣家の位置、隣家の窓の位置など)が必要な場合は、測量費がかかります。売買が目的の場合は、より高額になります。

家が建てられる法の規制

建物を建てるには「建築基準法」や条例に従わなければなりません。

1. 家を建てる敷地は道路と2メートル以上の幅で接していなければならない。

道路とは幅員4メートル(地域によっては6メートル)以上の公道や、位置指定道路とされた私道など。ただし昭和25年の建築基準法が施工される以前からの道で役所が指定したものであれば例外も認められます。

2. 用途地域によって、建物の規模は法律で制限されている。

「第一種住居地域」「第一種低層住居専用地域」など、敷地がある用途地域の種別によって建物の「建ぺい率」や「容積率」が決められています。「建物の高さ制限」や「北側斜線制限」「道路斜線制限」「隣の家との距離」なども定められているので、自分の土地がどの用途地域に属するか、市町村役場などにある都市計画図で確認しておくことが必要です。

3. 土地が防火地域にあるから木造の家が建てられない!?

敷地が商業地域や住宅密集地域などの「防火地域」「準防火地域」にある場合は、原則として決められた耐火建築物、準耐火建築物しか建てられません。また、それ以外でも屋根や壁、塀などを燃えにくいものにしなければいけない場合があります。敷地がこれらの地域に当たるかどうかを確認し、該当する場合はどういう建築なら可能かを建築家に相談しましょう。

4. 農地転用の敷地にはすぐには家が建てられない!?

見た目が田畑でなくとも農地として登記されている土地もあります。農地を宅地に転用する場合は知事や農林水産大臣の許可が必要で、許可を得るには所定の日数が必要です。許可なく建てると、原状回復義務により家屋の取り壊し命令を受ける可能性もあります。まずは建築家に相談してみましょう。
地盤のチェックポイント — 軟弱地盤かも?

1. 水害の多い地域かどうか

2. 近隣の他の地域より低地にあるかどうか(市町村役場で洪水ハザードマップを確認する)

3. 地名に、水に関する字や、サンズイの漢字、「田」が付くかどうか

4. 近くの道路の舗装に大きなひびが入っていたり波打っていないか

5. 近隣の建物が傾いていたり、外壁にひびが入っていないか

6. 周辺に田んぼや池、川、水路などがあるかどうか

7. 造成後、何年経っているか

地盤の状況を調べるには…
ボーリング工事で地中深くパイプを打ち込んで地下の土を取り出し、その性質を調査することで地盤の状態が分かります。
スウェーデン式サウンディング
簡易型のボーリング
これらの方法があり、状況を見て建築家が調査の要・不要を判断します。

ゾーニング

間取りのプランを考えるときはウッドデッキやロフトといったポイントをイメージするだけでなく、機能別に分けた各ゾーンをどういうふうに構成するかを考える〝ゾーニング〟をやってみましょう。ダイニングの横にはキッチンを置くなど、関連性のある部屋をそばに配置するのが基本です。また、敷地の形や広さ、通風や採光、隣家や道路との位置関係も見ながら考えます。

動線計画

間取りがおおまかにイメージできたら、次に人が移動する様子=動線を考えてみましょう。スムーズに行き来ができることが暮らしやすさにつながります。

家事動線…炊事(キッチン)、洗濯(風呂場)、ごみ出し(勝手口)のときの移動

衛生動線…トイレ、洗面所、お風呂などへの移動

外出動線…寝室、居室、リビングなどから玄関への移動

来客動線…来客が移動する動線

通風と採光

写真
快適さはもちろん健康や省エネのためにも自然の風と光を上手に家に採り込むことを考えましょう。地元の気候風土や敷地の周囲の環境によっても、光と風が時間帯や季節でどう変わるか確認しておきたいものです。
光では、温暖化が進み一段と厳しい夏の日差しを防ぐためには、軒を深くするといいでしょう。また南側に落葉樹を植えて、夏は生い茂る緑の葉が影をつくり、冬は葉が落ちて暖かな陽光が家に降り注ぐなどの工夫を考えて。
写真
風通しをよくするためには風の入口と出口になる位置に窓を設けて、風の流れをつくります。夏の熱気を逃がすためには、温度が上がると上昇する空気の性質を利用して、高い位置に窓を設けるといいでしょう。また、対角線上に窓を設けたり、窓に高低差をつけると効率的に風の通りがよくなります。
プライバシーを守りつつ通風と採光をよくするためには、外から見えにくいハイサイドライトやローサイドライトを活用する手もあります。

施工者の候補選出と、見積もりの取り方

[建てようネット]の場合は加盟の工務店から、家の規模や構造に応じて建築家が推薦します。
一般的には複数の施工者から見積もりを取りますが、場合によっては一業者のみで見積もりを取ることがあります。
建築家は候補の施工者に対して現場説明会を開き、設計図書を渡して見積もりを依頼します。
競争見積を取った場合は、建築家が各社の比較、査定などをしてアドバイスしてくれますが、建て主側もチェックし、よく相談した上で施工者を決定しましょう。

施工者を選ぶポイント

POINT 01:建設地から遠すぎないか
家が建ったあとのメンテナンスのことも考えれば、施工者は建てる家から極端に遠くない地域にあるほうがいいでしょう。遠くにある場合、交通費などが経費としてプラスされることもあります。
POINT 02:これまでの実績や技術はどうか
建築家がいかに素晴らしい設計をしても、実際にそれをつくるのは施工会社です。それぞれに得意な工法などもあるので、これまでに施工した家の例を見るなどして確認しておきましょう。もちろん、設計を依頼した建築家が常日頃から接している会社なら、より安心と言えます。
POINT 03:経営状態や、会社の体制に問題はないか
万一の事態に備えて「完成保証」の保険に入っている工務店もあります。また、着工件数が多過ぎる工務店では現場監督が何件も掛け持ちし、工事が雑になったりする恐れもあるので、そのあたりも確認をしておきたいものです。
見積もりをチェックするポイント

1. 要望した通りの設計プランで見積もりされているか。

2. 工事費内訳明細書を確認。工事項目の一つ一つで、材料の種類、数量、金額に大きな間違いはないか。金額の桁数を間違えていないか。

3. 本体工事以外の別途工事費も確認する。

4. 施工者によって金額が大きく違う項目はその理由も確認する。

5. 疑問点がある場合は納得できるまで説明してもらう。

6. 「木工事一式」「建具工事一式」などだけで、内訳の数量・単価・金額の明細書が添付されていない見積もりには注意。

※「見てもわからない」とまかせずに、自分で中身を確認することが大事です。

建築工事費の内訳例

本体工事例
仮設工事工事現場の足場やシート、トイレ、現場で使われる水道、電気、電話料など。
基礎工事基礎をつくるための工事。土工事、鉄筋工事、コンクリート工事など。
木工事木材費をはじめ、加工、組み立て、取り付けなどの工事費、大工さんの工賃。
屋根・とい工事屋根を葺いたり、雨どいを取り付ける工事。
左官・タイル・塗装工事内部の塗装、ペンキ塗り、タイル張り、外装吹き付けなど。
建具工事戸、襖、障子、ドアなどの製作、吊り込み、取り付けなど。木製建具と金属製建具がある。
造作家具工事造り付け家具の製作など。
内・外装工事壁にクロスや布を張ったり、カーペットや畳を敷く内装工事。サイディングを張る外装工事など。
雑工事こまかい設備を取り付ける工事。
管理諸経費各施工業者と連絡を取り、工事を進めるための一般管理費。
電気設備工事配線や電気設備にかかわる工事。
給排水・衛生設備工事風呂場、トイレ、洗面所などの水廻りにかかわる工事。
別途工事例(場合によります)
外構・植樹工事車庫、門扉、塀、造園などの工事
屋外電気工事
屋外給排水・ガス配管工事

基本設計と実施設計で作成される主な図面
(木造在来工法の場合)

意匠図面名 内容 基本
設計
実施
設計
付近見取図 敷地の場所や周辺の地図を示したもの。
配置図 敷地のどこに建物が建てられるかを示したもの。
平面図 間取り図。部屋や階段、廊下、柱の位置などが分かる。
断面図 建物を縦に切って横から見た、縦方向の間取り図。
立面図 建物の外観を東西南北から見た図。
室内展開図 各部屋の4面の壁を描いた図。
天井伏図 内部から天井を見上げた図。
屋根伏図 建物を真上から見下ろした屋根の図。
矩計図 かなばかり図。断面図をより詳しくした図で構造が分かる。
建具表 建具の寸法やデザイン、取っ手の位置などが分かる。
仕上げ表 敷地の場所や周辺の地図を示したもの。
面積表 建築面積、床面積、延床面積が分かる。
仕様書 工法、用材など図面では表せない建物の情報。

※実施設計ではこのほか、[構造図面]として基礎伏図、床伏図、小屋伏図、筋かい計算書など、[設備図面]として電気設備図、空調換気設備図、給排水設備図、ガス設備図などが作成されます。
※実施設計に入る前に、基本設計がこれでいいかどうかを建て主が確認・決断し、了承しなければ次に進めません。

手持ちのものが使えることがあります。
空調機、照明器具、家具、等々…。
古い家から柱や梁、障子などを持ってきて、再生利用も…。

改正建築基準法で、厳しくなった建築確認申請

2007年6月に施行された改正建築基準法によって、建築確認申請の手続きがいっそう厳しくなりました。これは2005年11月に起きた耐震強度偽装事件を教訓に、事件の再発を防ぐために厳しくされたものです。高さ20メートル超の鉄筋コンクリート造などは構造計算書が二重チェックされるなど手続きが複雑になり、申請手数料も約2倍になりました。
一般的な木造住宅に関しても、これまでは建築確認がおりたあとの設計内容の変更は、内容が法律的に問題なければ、変更届を出せば認められていました。しかし改正されてからは、誤記や記載漏れなどを除いて、設計図書の差し換えや訂正の必要がある場合は再申請が必要で、手数料も再度支払わなければいけなくなりました。また、仕上げ材の種類や厚みなども申請に含まれるので、申請後には材料の変更はできません。そのため、申請前には内容をこまかいところまで入念に確認し、変更がないように注意する必要があります。
設計図面を見るときのポイント

配置図

隣家や道路と建物の間隔、日当たり、風通し、騒音、視線など周囲との関係

立面図

屋根の形や軒の寸法、窓のサイズや形状

平面図

部屋数、広さ、つながり、動線、上下階の部屋の位置、窓の採光・通風

展開図

天井や窓の高さ、ドア・棚・造りつけテーブル・キッチンや洗面台の高さ、コンセント・器具の高さ

矩計図

基礎の高さ、土台などの強度、床下の防湿・防腐・防蟻処理、断熱材の材質・厚み

設備図

照明器具、スイッチ、コンセント、テレビのアンテナ端子、電話端子、水廻りの設備機器の配置、屋外の水栓の位置
どこに頼む?
建築家とは?
費用はいくら?
家づくりの流れ