建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝156棟目 D邸 『whiteCube』


156棟目 建てようネットで建てた家

鳴門市・A邸

whiteCube

建築家・開達也+井上建設株式会社

アートをまとう、箱と隙間の家。

モンドリアンの絵画をヒントに

 形や色、模様、そして配置。建物の見た目を左右する意匠設計は、建築家の思想が表れる要素の一つだ。今回、開さんが手掛けた住まいは、シンプルなデザインの中に、唯一無二の存在感を内包している。設計の原点となったのは、意外にも「余計なことはしない」という考え方だった。

 「最初の打ち合わせの時に『音楽やアートなど、自分が好きなものに浸りながら暮らしたい』というご主人の希望が浮かび上がりました。建築的な表現を極力抑えることで、そこに住む人が、後で自由に色付けできるようにしようと思ったんです」。

 開さんが最初のプレゼンで提案したのが、白い箱を積み重ねたプラン。1階を形成する大きな箱の中に四角いキッチンを配置し、その上にベッドルームを積み重ねるといった具合に、立方体を重ね合わせながら空間をデザインしていった。

 「今回の建築デザインに取り入れたのが、抽象画で有名な画家、ピエト・モンドリアンの“コンポジション”と呼ばれるデザインです。窓や玄関のアプローチ、テラスや駐車場の目地などを四角で統一することで、世界的なアートの存在感を取り入れています」。

 「余計なことはしない」という設計コンセプトの裏側には、これほどまでに深い思考が潜んでいるのだ。

隙間がつなぐ家族の居場所

 立方体を積み重ねる中で生まれた“隙間”も、家の特徴を語る上で欠かせない要素の一つとなっている。

 「たとえば、ダイニングの天井には、ご主人のアトリエにつながる隙間があります。一般的な吹き抜けは、空間の開放感を高める目的で用いますが、隙間は1階と2階の気配をつなぐためのもの。いろんな箱の中で家族がつながりながら暮らしていくイメージです」。

 奥さまが立つキッチンからは、ダイニングとリビング階段の上部に2つの隙間が見える。開口部の形は、もちろん直方体。洗練されたデザインが、夫婦の心地良い暮らしと融合している。

 一方、間取りのポイントとなっているのが、南側に配置されたキッチン。「南側にはマンションが立っているのですが、キッチンが絶好の目隠しとなって、日中でも窓を開放できるんです。一番日当たりの良い場所に、あえてリビングを配置しないという選択が、結果として大きな快適性へとつながっています」とご主人。さらに、家の南面をやや東に向けることで、東側に設けた広い庭の開放感を屋内に取り込んでいる。

 「約1年にも及ぶ打ち合わせは本当に楽しかった。そのすべてが、この家の魅力になったと感じています」とご主人は話してくれた。

 Aさんの夢を叶えた建築家 開達也

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【プロフィール】

1972年生まれ、血液型 O型、牡羊座。大阪工業技術専門学校卒業後、現事務所に。一級建築士。 徳島大学工学部非常勤講師。

設計コンセプト

「アート・ファッション・音楽・本・料理と多くの趣味を持つAさん。要望はいたってシンプル。・アートを飾る四角い空間・アートを彩る白い空間空間が主役でなく、そこに住む人やアートやファッションが主役になる空間がほしい。そこには余計なものはいらない、シンプルな White Cube があればいい」

>>(写真キャプション)

スクエアの組み合わせが美しい外観。四方の壁面には、それぞれ2つの窓をバランス良く配置した。右側の立方体の中に、給湯器や室外機などを隠している。

スクエアの組み合わせが美しい外観。四方の壁面には、それぞれ2つの窓をバランス良く配置した。右側の立方体の中に、給湯器や室外機などを隠している。

広い庭のある東側から見た外観。南側に配置したダイニングキッチンが、テラスと機能的につながる。リビングのプライバシーも確保されている。

広い庭のある東側から見た外観。南側に配置したダイニングキッチンが、テラスと機能的につながる。リビングのプライバシーも確保されている。

リビングからキッチンを臨む。南側にはマンションが建っているが、キッチンが目隠しとなっているため、いつも窓を開放することができる

リビングからキッチンを臨む。南側にはマンションが建っているが、キッチンが目隠しとなっているため、いつも窓を開放することができる

キッチンからリビングを臨む。リビング階段とダイニングの上部に設けた“隙間”が、家族の気配をゆるやかにつないでいる。
キッチンからリビングを臨む。リビング階段とダイニングの上部に設けた“隙間”が、家族の気配をゆるやかにつないでいる。
ダイニングの上に位置するのは、ご主人のアトリエ。立方体を組み合わせた時に生まれた“隙間”は、音楽やアートを愛する家族の象徴となっている。

ダイニングの上に位置するのは、ご主人のアトリエ。立方体を組み合わせた時に生まれた“隙間”は、音楽やアートを愛する家族の象徴となっている。

Kubus Putih_013

吹き抜け階段を上って左側が、ご主人のアトリエ。スマホのアプリを使って、LEDの照明をさまざまな色彩にコントロールすることが可能。

吹き抜け階段を上って左側が、ご主人のアトリエ。スマホのアプリを使って、LEDの照明をさまざまな色彩にコントロールすることが可能。

階段側に開通する本棚を備えたアトリエは、明るさや開放感も抜群。作り付けのテーブルに向かえば、目前にウチノ海の美しい風景が広がる。

階段側に開通する本棚を備えたアトリエは、明るさや開放感も抜群。作り付けのテーブルに向かえば、目前にウチノ海の美しい風景が広が

 

アトリエに設けたロフトも立方体。その理由は「ベッドを置くと生活感が出てしまうから」。ロフト下の隙間は、ダイニングとつながっている。

アトリエに設けたロフトも立方体。その理由は「ベッドを置くと生活感が出てしまうから」。ロフト下の隙間は、ダイニングとつながっている。

 

建築データ

建築データ

■家族構成 施主、妻

■構造 木造2階建て

■工法 在来軸組

■敷地面積 384.16㎡(約1116坪)

■延床面積 合計105.99㎡(約32坪)

         1階55.48㎡(約16.7坪)

         2階50.51㎡(約15.3坪)

■スケジュール 設計期間2013年7月~2015年5月

            施工期間2015年6月~2016年2月

■設計監理 開建築設計事務所

■施工 井上建設

赤坂邸平面図画像01A邸間取