建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝 112棟目 リノベーション T邸


祝112棟目

建てようネットで建てた家

[リノベーション]

 

建築家・内野輝明+新井建設

阿南市・T邸

 

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リノベーション前は、昔ながらの急な鉄砲階段だったものを、土間脇に場所を変え、折り返し階段にすることで昇り降りを楽に。吹き抜けにして既存の窓を活かすことで、明るさも確保しています。




築90年超。住み手の思いを、そして家の命を

次世代へとつないでいくリノベーション

 

 

これぞリノベーションならでは。「この家だからできた」設計

 

築約90年という木造の母屋や鉄骨の倉庫、鉄工所など、建てられた年代も構造も異なる建物の集合であったT邸。母屋はそのまま主な居住スペースとし、以前は離れとして建てられていたお風呂など水回りも母屋と一体化、倉庫は音楽スタジオ等に。リノベーションという言葉に「用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする」という定義があることを考えると、まさにそれにあたるのが内野さんの提案でした。

「元の状態を拝見した時、これだけの建物群を壊して新しく建て替えるというのはまずイメージできませんでしたし、両親が長年慈しんで手を入れてきたこの家をできるだけ残してほしいという奥さんのお気持ちに応えたいと思いました。この敷地で、これらの建物があったからこそできた提案だと思っています。」

 

そこかしこにデザインされた卵の形の意味とは?

 

中庭と室内の中間にあたる通り土間の内縁にも見られるように、曲線のデザインの美しさが特徴的です。内野さんのその独特の感性に、ご主人も共感されたとか。例えば、玄関脇に設えられた手洗い場(水が流れると優雅な音を奏でる大谷焼の水琴窟と手水鉢がある!)への入口や、母屋から鋳鉄製の五右衛門風呂がある通称「中島湯」への通用口などは、なんとも不思議な柔らかさを醸すカーブで形どられています。

さて、ぐるりと見渡すと、そこかしこに卵の形がデザインされていることにも気づきます。入口の形や引き戸の取っ手が卵の形、さらには中庭に規則的に配置されたガーデンライトや屋内のダウンライトなども、全体で大きな卵の形を浮かび上がらせるのです。あくまで遊び心ではありますが、しかしこれこそが、T邸のリノベーションのテーマを表すもの。T邸は奥様の生家であり、奥様のお父様も長く住み続けた家。その想いを、ひいては命を、次世代へとつないでいくという意思が、ここに宿っているのです。




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もともとは中庭だったところに、庇を張り出させて通り土間に。内縁は、その形状から「砂浜式台」と命名されています。そんなネーミングもまた、内野さんならでは。

 

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旧玄関土間から中庭を一望。冬に赤い葉をつけるオタフクナンテンを、のんびりと愛でられる。

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通り土間からリビングダイニングを見る。柱や引き戸は当時のものをそのまま引き継いで使っている。

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構造上必要な柱は、ダイニングテーブルのあしらいに。テーブルやソファが描くゆるやかなカーブにも、卵の形がイメージされている。

 

 

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波打っていた屋根も、新たに瓦を葺き直して再生した。通りを見下ろす窓には、雨戸を取り外して木製窓を採用。ちなみに、2F窓の欄干は当時のまま。新旧のコントラストが映えている。

 

Tさんの夢を叶えた建築家/建築家・内野輝明

uchino201201uch顔写真

 

設計コンセプト

「木造2階建ての母屋+木造平屋の水まわり+鉄骨2階建ての倉庫+木造の鉄工所→居住空間である母屋+湯どころ+音楽スタジオ+ラボ+ガレージ+美術館で構成される文化村へのリフォーム。中庭の周りをめぐる回廊が各棟をつなぎ、新旧の部分部分を統合する」。

 

建築データ

■構造

木造、一部鉄骨造

■延床面積

合計 263.3㎡(約79.6坪)

1階 163.9㎡(約49.6坪)

2階 72.6㎡(約22.0坪)

車庫 26.8㎡(約8.1坪)

 

■スケジュール

設計期間 2011年4月~2012112月

工事期間 2012年2月~2012

年9月

■設計監理

内野設計

■施工

新井建設