建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝139棟目 T邸『ゆずりは』


建てようネット[徳島]の実績

建築家決定220件

完成物件164棟(新築126棟、リフォーム24棟、店舗10棟、店舗兼住宅4棟)

(2016年10月31日現在)

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祝139棟目 建てようネットでリノベーションした家

三好市・T邸

ゆずりは

建築家・内野輝明+番匠中山

想いをつなぐ「ゆずりは」の家。

3世代が心地良く暮らすために

  「子供たちよ。これはゆずり葉の木です。このゆずり葉は新しい葉が出来ると入り代わってふるい葉が落ちてしまうのです」

 これは、詩人・河井酔茗が書いた「ゆずり葉」の一節である。枝先に若葉が出たあと、前年の葉が居場所を譲るように落葉する「ゆずりは」を家族の関係に見立て、大切なものを受け継いでいく様子を表現した詩だ。

 リフォームを希望する施主の要望を聞いた内野さんが設計コンセプトに据えたのが、この「ゆずりは」だった。

  「遠く(高知県佐川町)にいらっしゃる、母親のお父さんも呼んで一緒に住むことを前提に、増築とリフォームをしたいというご要望でした。三世代でのくらしを考えたとき、それぞれの世代のあり方や関係性が変わりながらも、どのようにこの家をゆたかに住み継いでいくかを考えることが大切だなと感じました。」

以前は台所、食堂、居間と、三つの和室に区切られていた1階部分の壁を整理して、家族が集う大きなスペースと寝室、個室、座敷に仕切りなおす。南側に東西に走る広縁は家族のスペースに取り込むことで、空間をさらに大きく広げた。

西北にあった和室はおじいさんの寝室として改築。その西側にトイレと洗面所を一部増築して、利便性を高めた。この寝室は今はご両親の部屋となっている。

リフォームだからできることがある

  大家族のすまいの快適性や機能性を追及するにあたり、玄関廻りの間取りも変更された。

  玄関の位置を少し北側にずらすことで生まれたスペースに、大容量の下足室を設置。家族の靴や荷物は、まとめてこの場所に収納することができる。

 また、北東の台所と食堂だった場所は、第三世代の個室として改築。平天井を取り払って寄棟の屋根に沿った形に張り直し、既存の丸太の梁などの小屋組みを現しにしてロフト的な部分を作ってスペースを大きく、おおらかな空間とした。寝室スペース(畳敷き)は床を上げて床下収納を備えた。

「家族が増えれば増えたで対応できますし、あちらの部屋とこちらの部屋で、状況に応じて移ったりもしながら、うまく使い継いで頂けたら」と内野さん。

この家にはもうひとつ、家族で未来に渡って「継いでいく」要素がある。佐川町の家に使われていた部材、家具、浴槽、普請好きのおじいさんが将来家をさわるときのために長年ためてこられた様々な木材などがそこここに使われているのである。内野さんはご家族、施工に当たった中山棟梁たちとで佐川町に赴いて、実際にものを見ながら何をどう使うか話し合っていった。

元の家の玄関から移されたリビングの格天井、たくさんあった無垢板は加工されていたるところに壁材として使われ、とっておきの厚板は食卓やテーブルに・・・。受け継がれた素材が空間を彩ることで落ち着きのある空間となり、思い出を呼び起こす「記憶装置」にもなっている。

新築ではできない、リフォームならではの醍醐味が、この家には凝縮されているのだ。

Tさんの夢を叶えた建築家

[建築家]内野輝明

uchino201201uch顔写真

【プロフィール】

1963年生まれ、血液型A型、牡羊座。大阪工業大学建築科卒。大阪の設計事務所、埴淵建築設計室、髙﨑正治都市建築設計事務所を経て独立。一級建築士。

設計コンセプト

「遠方にいる家族を呼び寄せて、三世代の大家族で住む家。家族も家も、これから先、ずーっと継いでいきたい。みんなのたからものをここに集めて、家の形にして、「もの」も「人」も。『ゆずりは』のように・・・」

築数十年が経ち、あらゆる部分に劣化が見られる改築前の外観。施主は増築も検討していたが、内野さんは、「改修と、最小限の増築で、要望はほぼ解決できる」と判断した。

築数十年が経ち、あらゆる部分に劣化が見られる改築前の外観。施主は増築も検討していたが、内野さんは、「改修と、最小限の増築で、要望はほぼ解決できる」と判断した。

玄関先にスロープを付け、塀の素材や高さを変えることでスッキリとした外観に。玄関の位置も変更し、南側に大容量のシューズクロークを設置した。

玄関先にスロープを付け、塀の素材や高さを変えることでスッキリとした外観に。玄関の位置も変更し、南側に大容量のシューズクロークを設置した。

フローリングや壁、格子天井に祖父が残した木材を使用することで、居間が洗練された空間に生まれ変わった。無垢材は室温の安定に効果があり、薪ストーブとの相性も抜群。

フローリングや壁、格子天井に祖父が残した木材を使用することで、居間が洗練された空間に生まれ変わった。無垢材は室温の安定に効果があり、薪ストーブとの相性も抜群。

居間とつながるダイニングキッチン。存在感のあるダイニングテーブルも、佐川町の倉庫にあった木材が使われている。水回りとも隣接しているため、家事の負担が軽減した。

居間とつながるダイニングキッチン。存在感のあるダイニングテーブルも、佐川町の倉庫にあった木材が使われている。水回りとも隣接しているため、家事の負担が軽減した。

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高齢者の使用を考慮して、部屋の横に専用の洗面スペースとトイレを設置。和室ともつながっているため、お客様用のトイレとしても使用できる。

高齢者の使用を考慮して、部屋の横に専用の洗面スペースとトイレを設置。和室ともつながっているため、お客様用のトイレとしても使用できる。

家族の絆を深める、対面型のキッチンを採用。後ろには作り付けの収納スペースがあり、引き戸を閉めるだけで生活感を封じ込めることができる。

家族の絆を深める、対面型のキッチンを採用。後ろには作り付けの収納スペースがあり、引き戸を閉めるだけで生活感を封じ込めることができる。

北側のスペースを活用し、ダイニングと一直線につながる洗面スペースを設置。家の中心部分にあるため、どの部屋からもアクセスしやすい。

北側のスペースを活用し、ダイニングと一直線につながる洗面スペースを設置。家の中心部分にあるため、どの部屋からもアクセスしやすい。

佐川町の家で40年以上にわたって使われ続けてきた木製のお風呂。この浴槽をリフォームに活かすことで、和モダンな浴室が実現することに。

佐川町の家で40年以上にわたって使われ続けてきた木製のお風呂。この浴槽をリフォームに活かすことで、和モダンな浴室が実現することに。

佐川町の倉庫の、「宝の山」。普請好きなおじいさんの夢が池田でかなった。使えそうな素材を選び出し、番匠中山で乾燥、加工、そして施工。内装や家具に活かされた。

佐川町の倉庫の、「宝の山」。普請好きなおじいさんの夢が池田でかなった。使えそうな素材を選び出し、番匠中山で乾燥、加工、そして施工。内装や家具に活かされた。

改装前は家の南側に廊下があり、5つの部屋が壁と障子で仕切られていたため、開放感がなく暗い雰囲気。昼間でも電気が点けられていた。

改装前は家の南側に廊下があり、5つの部屋が壁と障子で仕切られていたため、開放感がなく暗い雰囲気。昼間でも電気が点けられていた。

建築データ

■家族構成 3世代

■構造 木造2階建て

■工法 在来軸組工法

■延床面積 1階139㎡(約42坪)*1階部分のみリノベーション

■スケジュール 設計期間2013年7月~2013年9月

       施工期間2013年9月~2014年8月

■設計・監理 内野設計

■施工 番匠中山

T邸間取り(リノベーション前)

1. 玄関

2. テラス

3. ダイニング

4. キッチン

5. 居間

6. 洗面・脱衣

7. 浴室

8. 和室

T邸間取り(リノベーション後)

1. ポーチ

2. 玄関

3. 下足室

4. 個室

5. クロゼット

6. トイレ

7. 脱衣室

8. 浴室

9. 居間

10. 食堂

11. キッチン

12. ウッドデッキ

13. 寝室

14. 和室

谷口邸平面図画像