建てようネット[徳島]で建てた家

建築家と素敵な家づくり

祝181棟目 阿南市M邸『北の脇の家』


祝181棟目 建てようネットでリノベーションした家

阿南市・M邸

建築家・野田 雅之+湯浅工務店


平屋のような、二世帯住宅。

リフォームだけど理想の住まいに

就学前のお子さまを持つ施主が新たな住居として希望したのは、ご主人の両親が暮らす実家の二世帯住宅化。あまり使われていなかった2階部分をリノベーションすることで、2つの世帯がほどよく交流しながら豊かに暮らせる家づくりを目指した。

「リフォームだけど新築のように魅力的な家づくりがしたかったんです」と話すのは、ずっとマイホームの実現を夢見ていた奥さま。だからこそ、ゼロからコンセプトやデザインを一緒に考え、新たな可能性を生み出してくれる建築家の起用は当然のことだったと言う。

「実際に暮らすのは2階だけど、平屋のような暮らし方ができる空間がほしくて。坪数は広くないけれど、子どもが遊ぶスペースや収納もほしいし、意匠性にもこだわりたかった。建てようネットを通じて野田さんをパートナーに選んだのも、オリジナル家具を含めた家づくりに定評があったからです」。

もう一つ、ご家族が建築家に要望したのが、心地良いリビングを中心とした暮らし。そんな考え方も「個室は最小限のスペースで良い」と考える野田さんと一致した。まず野田さんがイメージしたのは、家族の生活ややコミュニケーションの基本となる横長の大きなダイニングテーブル。そこから生まれる豊かな暮らしを逆算しながら、LDKを中心とした建築デザインが構築されていくことになる。

家のポテンシャルをいかに引き出すか

今回採用した間取りは、畳スペースを併設した広いLDKと小さな寝室、トイレやお風呂などの水回りというシンプルなもの。3つの部屋を仕切っていた壁を取り払い、南からの明るい光を家中に取り込んだ。

「建物が持っている歴史やポテンシャルを少しでも引き出せるよう心掛けています」と野田さん。その言葉通り、ダイニング上部の天井を取り払うことで小屋組みの立派な梁を露出させ、開放感で存在感のある空間をつくり出した。手加工による漆喰塗りの天井が間接照明によって浮かび上がり、周囲に優しい光を落としている。

また、奥さまの希望を受け、開口部にアール(角丸)を用いたデザインで統一。外壁の内側にプラスターボードを張ることで、コストを抑えながらも、窓や通路、天井など、あらゆる場所にアールのある、かわいい空間を実現した。

さらに、畳スペースやリビングの一部を小上がりにすることで、収納スペースをしっかりと確保。構造上必要だった2本の柱の間にはブランコを設置するなど、限られたスペースを最大限に活用している。

「このブランコは子どもの友達にも大人気。10人近くのゲストを招いても、みんなでゆっくりお食事もできるんですよ」と奥さまも笑顔。〝古と新〟が融合した新築のようなリフォームが、また一つ完成した。


Mさんの夢を叶えた建築家 野田雅之

1974年生まれ、血液型O型、獅子座。名城大学理工学部建築学科卒業。岡田昭則建築研究所(兵庫県)、剛建築事務所、Celiaを経て独立。一級建築士。

設計コンセプト

「ご主人の実家の木造2階建て住宅を1階にご両親、2階に息子世帯が住むために2階だけリフォームを行った。生活リズムが違うため玄関を2階に増築した。2階建住宅の2階部分は個室にすることが多く、壁、柱が細かく入っていることが多い。そのため、家族、友人が集うことのできる大きなLDKを作るために、入念な調査と計画が必要でした。外と内、古と新、過去と未来、その対比を建築で少しでもカタチにしたかった。既存のままの外壁と改装した新しい間取り、古い小屋組みと新しいリビング、思い出とここからできる楽しい体験をつくって欲しい」



収納力たっぷりのアイランドキッチンは、デザインに〝アール〟の要素を施したオリジナル。小上がり式の小さな和室はご主人のくつろぎスペースとなっている。

収納力たっぷりのアイランドキッチンは、デザインに〝アール〟の要素を施したオリジナル。小上がり式の小さな和室はご主人のくつろぎスペースとなっている。

限られた広さの2階スペースをリフォームしたとは思えない、平屋のような開放感を実現。右手前のドアを開けると階段が表れる。

限られた広さの2階スペースをリフォームしたとは思えない、平屋のような開放感を実現。右手前のドアを開けると階段が表れる。

天井の梁を露出させ、漆喰や間接照明による演出を加えることで一気に開放的かつ個性的な空間に。まさに〝古と新〟が融合している。

天井の梁を露出させ、漆喰や間接照明による演出を加えることで一気に開放的かつ個性的な空間に。まさに〝古と新〟が融合している。

 

キッチンからリビングを臨む。プラスターボードを活用したよる丸い窓枠や開口部がキュート。オリジナルのダイニングテーブルで、ご両親も一緒に夕食を楽しむそう。

キッチンからリビングを臨む。プラスターボードを活用したよる丸い窓枠や開口部がキュート。オリジナルのダイニングテーブルで、ご両親も一緒に夕食を楽しむそう。

増築した外階段を上がると、玄関前の土間スペースが出現。西側の窓の向こうには、大草原のような美しい田んぼの景色が広がっている。

増築した外階段を上がると、玄関前の土間スペースが出現。西側の窓の向こうには、大草原のような美しい田んぼの景色が広がっている。

家の西側に玄関部分を増築。寄せ棟造りの実家と新たに生まれたフラットな建物のコントラストが美しい。家族やゲストはこちらの入口を利用。

家の西側に玄関部分を増築。寄せ棟造りの実家と新たに生まれたフラットな建物のコントラストが美しい。家族やゲストはこちらの入口を利用。

増築した玄関にも作り付けの収納家具を設置。ガラスの引き戸を採用しているため、明るい光が差し込む開放的な空間となっている。

増築した玄関にも作り付けの収納家具を設置。ガラスの引き戸を採用しているため、明るい光が差し込む開放的な空間となっている。

ほとんど使われていなかった実家の2階をリフォーム。以前は壁で仕切られた3つの小さな部屋があった。

ほとんど使われていなかった実家の2階をリフォーム。以前は壁で仕切られた3つの小さな部屋があった。

ベランダのある南側を臨む。もともと変形した間取りとなっており、リフォーム前は部屋が全体的に暗く感じる。

ベランダのある南側を臨む。もともと変形した間取りとなっており、リフォーム前は部屋が全体的に暗く感じる。

建築データ

■家族構成 夫婦、子供1人

■構造 木造2階建て

■工法 2階をフルリノベ

■敷地面積 622.29㎡(約188.57坪)

■延床面積 2階77.59㎡(約23.47坪)

■スケジュール 設計期間2017年9月~2018年3月

            施工期間2018年4月~2018年7月

■設計監理 CALL SPACE DESIGN

■施工 湯浅工務店

 

M邸間取り

1 玄関

2 キッチン

3 畳コーナー

4 階段

5 リビングダイニング

6 小上がりスペース

7 WIC

8 洗面脱衣

9 寝室

10 既存バルコニー

9月号森邸平面図画像001