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» 2015/09/21/

トチベン 2限目


建てようネット的土地のお勉強

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2限目

 

定期借地権の基礎講座

 

 前号では、土地の固定資産税について解説し、その節税についても少し触れた。それはつまり、“土地を購入した人”向けの話だったわけだが、今回はマイホームを建てる際に“土地を借りる”という選択肢について考えてみよう。

 旧借地法では、土地の賃貸契約が満了しても賃貸料未納などの正当な理由がない限り、自動的にその契約が更新されるため、地主からすれば「一度土地を貸すと二度と返ってこない」という状況で、地主は土地を貸すことに消極的になっていった。しかし、平成4年に借地借家法で、『定期借地権』が創設されたことにより、先ほどの半永久的に契約更新されるという縛りをなくした契約も可能となり、現代では“住宅用の土地を貸す”ことのハードルが下がっている。

 では、借りる側、つまり家を建てる人(施主)にとってはどうか? あくまでも借りている土地であり、自らの資産ではないため、固定資産税がかからないのはもちろんだが、“節税”という意味において大きなメリットとなるケースがある。それは、店舗や店舗兼住宅、個人事務所の機能を備えた住宅の場合。そこで何かしらの事業を行う場合は、土地は借りた方が圧倒的にお得なのである。もし、土地を購入したとすれば、ほとんどの場合、毎月そのローンを支払っていくことになるはずだが、それはその事業の経費には計上できない(事業用部分の金利は計上可能)。なぜなら、土地を購入するというのは、正確に言うと「お金を使った」のではなく、「お金から土地へと資産の形が変わった」だけだから、減価償却ができないのだ。しかし、これが土地の賃貸であれば、毎月の賃貸料は当然事業経費として計上可能となる。事業用部分のみであるが、土地購入の場合は、実際に支払っている額のうち、経費計上できるのは金利のみで、借地の場合は、実際に支払っている額(地代)が、全額経費計上できるのだ。個人の所得税や会社の法人税などを含めて長期的に考えると、「土地は借りた方がお得」ということだ。

 また、節税などの金銭的メリット以外の価値が生まれる可能性もある。借地の場合、通常の分譲地とは違い、そこに建てる家に地主が一定のルールを設定できるので、統一感のある美しい環境で暮らすというライフスタイルに価値を感じる人であれば、その点もメリットとなり得るだろう。

 唯一の問題点は、過去の借地のマイナスイメージにより、土地を賃貸に出している地主が少ないこと。売りに出ている土地しかなければ、地主に賃貸契約を交渉してみるというのもひとつの手だろう。

●取材協力/(株)祐和不動産鑑定士事務所 不動産鑑定士 阿部祐一郎  ■tel. 088-635-0247 ■web. http://www.yuwa-reaoffice.jp/

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