だから、平家。

» 2019/05/12/

中野次郎の平家- 1


中野次郎の平家- 1

徳島市・Y邸

2013 KITATAMIYA

 

都市の喧騒を隔絶する

空間のクオリティー

 

無駄のない設計が生む〝上質〟な暮らしの場

 

 稀代の美食家として知られるプリア=サヴァランは「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間か当ててみせよう」という格言を後世に残している。私たちの住まいにも、同じことがいえるのではないだろうか。

 すっきりと無駄のない外観、端正な正方形のY邸は、中央にコートを有する口の字型デザインの美しい平家である。

 「会話を重ねていくうち、施主が僕に求めているのは、デザインが生み出す〝上質さ〞ではないかと考えました」。

 たとえば、施主が身に着けているスーツや靴にしても、それぞれブランドは違えど、共通項として「真っ直ぐ芯の通った精神性」が感じられたと中野さんは当時を振り返る。

Y邸が建つ敷地は交通量の多い道路と住宅に囲まれた都市部ということもあり、周囲からの視線と喧騒からの隔絶が家づくりのテーマとなった。

 「しかし、それだけでは〝上質さ〞が表現できません。もう一つの実現すべきテーマとし

て、広がりを感じられる空間の平家を目指しました」。

 玄関から足を進めるごとに、自然にプライバシーの強度が高くなる間取りは熟考の賜物だ。

あえて西の通路側には窓をつくらず、壁一面を収納にして防音効果を高めたという。

 「コートに正対する部屋の配置、陽射しや視線を遮る庇や壁、そして、ルーバー。すべての組み合わせが住み心地の良さにつながっています」。

 抽象的な〝上質さ〞という難題を見事にクリアしたY邸。施主も大満足の一軒である。

コートに正対する部屋、陽射しや視線を遮る庇や壁、ルーバーなどの組み合わせによってプライバシーの確保と広がりを感じる空間を両立させている。

コートに正対する部屋、陽射しや視線を遮る庇や壁、ルーバーなどの組み合わせによってプライバシーの確保と広がりを感じる空間を両立させている。

南向きに窓を広く取って中庭を眺められる位置にLDKを設計。デザインが生み出す“上質さ”が落ち着いた空気感につながっている。

南向きに窓を広く取って中庭を眺められる位置にLDKを設計。デザインが生み出す“上質さ”が落ち着いた空気感につながっている。

交通量の多い道路や住宅に囲まれた都市部に建つY邸。街の喧騒の中で静寂を確保するために建築家が考えた方法が「口の字型の都市型平家住宅」だった。

交通量の多い道路や住宅に囲まれた都市部に建つY邸。街の喧騒の中で静寂を確保するために建築家が考えた方法が「口の字型の都市型平家住宅」だった。

設計コンセプト

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「交通量の多い道路や住宅に囲まれた「ロの字の都市型平屋住宅」。西の道路側には窓を設けず、クローゼット廊下を配し、騒がしさからの隔絶を図った。中庭に向かった、『LDK、寝室、浴室』の配置と、『庇、コンクリート塀、ルーバー』の組み合わせで、『プライバシーの確保』と『拡がりを感じる空間』との両立をめざした」( 中野)

 

建築データ がっている。

■ 家族構成 : 施主・妻・子供1人

■ 構造 : 木造

■ 工法 : 在来工法

■ 敷地面積 : 350m2( 約106坪)

■ 延床面積 : 合計 149m2( 約45.1坪)1階 132m2( 約40坪)車庫 17m2( 約5.1坪)

■ スケジュール :

設計期間 2012年5月~2012年10月

施工期間 2012年10月~2013年5月

■ 設計監理 : ナカノジロウ

建築デザイン事務所

■ 施工 : ATインターナショナル

 

Y邸間取り

① エントランス

② ルーム

③ トイレ

④ 和室

⑤ リビング

⑥ ダイニング

⑦ キッチン

⑧ コート

⑨ 洗面脱衣

⑩ 浴室

⑪ 主寝室

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【情報掲載日/2016年11月25日】

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