建築家のリノベーション

» 2019/08/06/

久住高弘のリノベーション


建築家

久住高弘

 

住宅[鳴門市・H邸]

 

2013.6h住宅

 

 

定年後の生活を見据え、

“心癒される空間“へと生まれ変わらせた

「2013.6h住宅」

 

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縦にスリットの入ったバーチカルブラインドは、取り込む光を微妙に調整する機能も持っている。夜になり暖色系の白熱灯をシーンに合わせて(適度に)調光すれば、久住さん設計のダイニングテーブルとYチェアを中心とした癒しの空間に

縦にスリットの入ったバーチカルブラインドは、取り込む光を微妙に調整する機能も持っている。夜になり暖色系の白熱灯をシーンに合わせて(適度に)調光すれば、久住さん設計のダイニングテーブルとYチェアを中心とした癒しの空間に


箇所ごとに異なる要望も久住さんなら

トータルで考えてくれる



 築26年のH邸。実はこのお宅は、そもそも久住さんが設計したものであり、施主のHさんとは学生時代の同級生。40年以上の付き合いということですから、竹馬の友と言っても過言ではありません。そんなお2人ですから、リフォームを行うにあたっての再度の依頼も自然な流れだったと言えるでしょう。ただし、理由はそれだけではありません。久住さんへの依頼の最終決定意思は奥様にあったのです。

 「台所はこうしたい、お風呂はああしたい・・・と、箇所ごとに希望があって。でも、それを普通の工務店さんにお願いしても、なかなかピタっとハマる感覚がないというか、トータルで良い感じにしてもらうのが難しいんですよね。それが、久住さんならお願いできる。だから久住さんだったんです」(奥様)。

劇的なリフォームではなくても、全体の雰囲気が変わる

 築26年と聞くとそれほど古い感じはしませんが、それでも、その年月の中で確実に老朽化は進みますし、何よりライフスタイルが変わるもの。特にHさんは、定年を間近に控える身であり、これまでの子育てに追われる生活から第二の人生を楽しむ生活へと変わる時期です。そこで久住さんからは「活動的空間から、心癒される空間へ」という提案がなされました。

 「劇的に変えるリフォームではないんですよ。間取りなど基本のプランは変えないリフォーム。それでも、床材や壁紙、家具など細かいところを変えることによって、全体的な雰囲気を変えるというリフォームですね」(久住さん)。

 大幅なリフォームではないと聞くと、プランを提案されても想像しづらかったり、また実感が湧きづらかったりするのでは?と思いそうなものですが、決してそんなことはありません。新築でもリフォームでも、久住さんに設計を依頼すると、間取りや作り付けの家具などの設計図はもちろんのこと、配置する家具のイメージまで詳細なものを用意してくれるのです。

 「知識や経験、センス的な部分だけでなく、そうした緻密で丁寧な仕事をする男だということがわかっているからこそ、すべてを委ねることができたんです」(ご主人)。


定年後の生活が楽しみになるような

「心癒される空間」に

 久住さんの先の言葉を覆すわけではないですが、しつらえを変えるだけでこれほど劇的に変わるものかと驚かされます。取り込む光は白を基調とした壁に反射して室内を優しく包み、陽が落ちれば蛍光灯から変更した暖色系の白熱灯が絶妙に調光され温かに生活を照らす。それはまさしく、久住さんが狙った「心癒される空間」。定年後のご夫婦が、ここでどのような日々を送ることになるのか、とても楽しみです。



Before



以前のキッチンは壁で覆うスタイル。「奥まで光が届かないのと、少し圧迫感があったのは確か」という奥様の言葉を受けて、リフォームでその壁を撤去。

以前のキッチンは壁で覆うスタイル。「奥まで光が届かないのと、少し圧迫感があったのは確か」という奥様の言葉を受けて、リフォームでその壁を撤去。

以前は2室に分かれていた水回り。今回のリフォームでひとつにまとめたことで、「広くて使いやすい空間になり、家事もしやすくなりました」(奥様)。

以前は2室に分かれていた水回り。今回のリフォームでひとつにまとめたことで、「広くて使いやすい空間になり、家事もしやすくなりました」(奥様)。


after

ダイニングテーブルをはじめ、左側に見えているチェスト、AVボードはすべてナラ材で作成することで、全体的な統一感を創出している。

ダイニングテーブルをはじめ、左側に見えているチェスト、AVボードはすべてナラ材で作成することで、全体的な統一感を創出している。

以前、キッチンを覆っていた壁は取り払い、新たに耐熱ガラスを設置。明かりを遮るものがなくなり、部屋全体が明るくなった。

以前、キッチンを覆っていた壁は取り払い、新たに耐熱ガラスを設置。明かりを遮るものがなくなり、部屋全体が明るくなった。

キッチンの奥に新たに設置された収納棚。「設計が良いと、置くものや使うものまで凝るようになっちゃいますね(笑)」(奥様)。

キッチンの奥に新たに設置された収納棚。「設計が良いと、置くものや使うものまで凝るようになっちゃいますね(笑)」(奥様)。

キッチンの脇をはじめ、壁にはいくつかのニッチを配置。「物を置く場所があると、逆に置くものを増やさないように、という気持ちになりますね」(奥様)。

キッチンの脇をはじめ、壁にはいくつかのニッチを配置。「物を置く場所があると、逆に置くものを増やさないように、という気持ちになりますね」(奥様)。


Hさんの

夢を叶えた建築家

[建築家]

久住高弘

久住

設計コンセプト

「『活動的空間から、心癒される空間へ』。もうすぐ定年を迎えるご夫婦にとって単なる機能重視のリフォームより、心癒される空間(スローライフ)へのリフォームが重要である。それを満足させながら近い将来、無理なく老後を楽しむ住宅へ移行できることをイメージした」

設計のこだわり、苦労したところ

「今回のリフォームはLDK・浴室・脱衣洗面・WCであるが、新築当初の平面を殆ど変更することなく進められた。築26年を経過し、老朽化はあったが長年使い慣れた平面動線は、今後も問題は無いと考えた。その上で、心癒される空間に必要な項目を拾い出し、予算を検討しながら項目を絞り込む作業を繰り返した。カーテンによる自然採光の調整、人工照明の変更(白色系から暖色系)などは比較的低予算で効果は大きい」



建築データ

■家族構成

 施主(59歳)、妻(57歳)、子供1人(27歳)

■構造・工法

 木造・在来工法

■敷地面積

 445.0m2(約134.6坪)

■延床面積

 合計 129.8m2(約39.3坪)

*既設 38.0m2(約11.5坪)

1階 129.8m2(約39.3坪)

*既設 38.0m2(約11.5坪)

■スケジュール 設計期間

2012年10月~2012年12月

■工事期間

 2013年5月~2013年6月

■設計監理

久住建築設計事務所

■施工

井上建設

久住高弘_図面1久住高弘_図面2


H邸間取り

1 リビングダイニング

2 キッチン

3 洗面脱衣

4 ユニットバス

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