だから、平家。

» 2019/05/27/

久住高弘の平家- 2


久住高弘の平家- 2

阿南市・K邸

2016.1 k住宅

 

窓の向こう側へ広がる

田園風景の一部になる

 

建築家が両立させた開放感と地震への強さ

 

 一般的に「平家」といえば、2階建ての住宅よりも予算が高額になるといわれている。理想どおりの家を建てたいと考える施主にとって、もっとも悩ましい問題の一つが費用だろう。しかし、「総合的に考えていくと、平家は決して高いものではないんですよ」と久住さんは静かに言葉を紡ぐ。

 「坪単価で計算すると高価に見えますが、それは数字のトリックなんです。たとえば、建築時に高い足場を組む必要がないなど、工事のコストも低めに抑えられるし、住まいとしての耐用年数も長い。多くの場合、総工費を部屋数で割れば、それほど2階建ての予算と変わらないんですよ」。

 その事例の一つが、阿南市の田園地帯に建つK邸である。30代の若い施主のために久住さんが設計した平家は、玄関の左右に部屋を配置する大胆なI型のデザインを採用。

 居室がすべて南東に向かって開かれており、LDKの前面に駐輪場を兼ねたスクリーンを設置してプライバシーを確保。それが住宅全体の絶妙なアクセントになっている。

 「敷地から考えると、施主から要望されたコートハウスでは、住まいとしてのボリューム感が足りず、広がりのある周辺環境ともそぐわない。I型のプランは必然でした」。

 また、平家にしたことでK邸は優れた耐震性を実現。地震に対する壁倍率は4・5倍を確保しており、台風にもびくともしない強さを誇る。

 今後、大切な家族や財産を守る意味からも、平家という選択肢は増えていきそうだ。



間口12間、奥行3間の大胆なI型の平家は、大きな窓から温かな光を放ち、夜になると浮かび上がるような独特の存在感を見せる。

間口12間、奥行3間の大胆なI型の平家は、大きな窓から温かな光を放ち、夜になると浮かび上がるような独特の存在感を見せる。

 

居室すべてが南東に面しているため、室内は抜群の明るさを誇る。子供部屋と寝室からは豊かな田園風景を眺めることができる。

居室すべてが南東に面しているため、室内は抜群の明るさを誇る。子供部屋と寝室からは豊かな田園風景を眺めることができる。



外部からの視線を遮るスクリーンは圧迫感を感じさせない絶妙な高さに設定。光と風のみを通してLDKを快適な空間に保っている。

外部からの視線を遮るスクリーンは圧迫感を感じさせない絶妙な高さに設定。光と風のみを通してLDKを快適な空間に保っている。

 

設計コンセプト

kusumi2018-001

「敷地は那賀川の南岸、豊かな田園地帯の母屋に隣接する田を造成し確保された。計画は間口12 間、奥行3 間の大胆なI 型プランとする。そのことで居室全てが南東に面し、子供室と寝室からは田園風景を望む。LDK の前面には駐輪場を兼ねたスクリーンで中庭を設けた」( 久住)



建築データ

■ 家族構成 : 施主・妻・子供3人

■ 構造 : 木造

■ 工法 : 在来工法

■ 敷地面積 : 484.19m2( 約146.47坪)

■ 延床面積 : 合計 127.96m2( 約38.71坪)1階 120.36m2( 約36.41坪)

車庫 7.6m2( 約2.3坪)

■ スケジュール :

設計期間 2014年8月~2015年1月

施工期間 2015年5月~2016年1月

■ 設計監理 : 久住建築設計事務所

■ 施工 : 辻工務店



K邸間取り

① 玄関

② LDK

③ パントリー

④ 寝室

⑤ クローゼット

⑥ 子供室

⑦ WC

⑧ 洗濯室

⑨ 洗面

⑩ 浴室

⑪ 収納

⑫ 駐輪場

⑬ 中庭

 hiraya-kusumi02

 

【情報掲載日/2016年11月25日】

その他の平屋特集はこちらから

hiraya

建てようネット旧ブログ