だから、平家。

» 2019/05/30/

兼間至公の平家- 1


兼間至公の平家- 1

徳島市・F邸

佐古5番町の家

 

実用性と美しさの融合

建築家へ依頼する意味

 

いかんなく発揮される独創性の高い設計の妙

 

 独創性の高い住宅デザインに定評がある兼間さんに快適な平家の条件を質問してみた。即座に返ってきたのは「一定の広さを持つ庭が確保できること」という一言。そして「または窓の外に広がる景色が、あたかも自分の庭であるかのように、借景として取り入れられること」と続いた。兼間至公という建築家の平家に対するアプローチがよくわかる明確な説明だといえるだろう。

 さて『佐古5番町の家』はどちらかといえば、前者の条件に当てはまる住まいである。コの字型に配置された建物が広い中庭を囲む設計、すっきりとした一文字瓦葺きの車庫兼ポーチと母屋が直角に組み合わさる構造は、兼間さんらしいプランの妙だといえる。

 「もちろん、住まいとしての心地良さは大前提です。その上でデザインとしての美しさを考慮し、あえて屋根を揃えずに段違いにしています」。

 日常的な用途の材料を用いて非日常の空間を生み出すのが兼間さんの流儀。北側中央に位置するホビールームもその一つだ。施主の趣味であるギター演奏とプラモデル制作に、時間を忘れて没頭できる最高の空間となっている。

 「遮音性を高めるため、ここだけ鉄筋コンクリート造を採用しました。二重サッシですから、ほぼギターの音が外へ漏れる心配はありません」。

 こうした工夫もまた、建築家と一緒に創る家づくりならではの醍醐味に違いない。『佐古5番町の家』は、個性的な外観と広い中庭、贅沢な趣味の部屋を持っている。



コの字型に配置された建物が周囲からの視線を完全に遮断する中庭。リビングからの視界の広がりを確保し、屋内に光と風を取り入れる役割もある。

コの字型に配置された建物が周囲からの視線を完全に遮断する中庭。リビングからの視界の広がりを確保し、屋内に光と風を取り入れる役割もある。



母屋と直角に組み合わせることで車庫兼ポーチとの一体感を出す。どちらも伝統的な一文字瓦葺きだが、モダンに感じられるのは設計の妙味だろう。

母屋と直角に組み合わせることで車庫兼ポーチとの一体感を出す。どちらも伝統的な一文字瓦葺きだが、モダンに感じられるのは設計の妙味だろう。



テラスに向かって全体が開かれたリビングは、外の陽射しを十分に取り込む心地良い空間。照明を埋め込み式にすることで天井の圧迫感も解消されている。

テラスに向かって全体が開かれたリビングは、外の陽射しを十分に取り込む心地良い空間。照明を埋め込み式にすることで天井の圧迫感も解消されている。



設計コンセプト

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「長く住んでいた家の敷地内すぐ隣に新築したもの。中庭を包むコの字型プラン。道路からは絶対に見えない広い中庭。広いテラス。毎日の生活を快適なものとする正統な住まいをめざした。建築主の音楽とプラモデルの趣味の部屋を平面北側中央に組み込んでいる。この部屋は遮音のために鉄筋コンクリート造とした」( 兼間)

 

建築データ

■ 家族構成 : 施主・妻

■ 構造 : 木造一部RC造

■ 工法 : 在来工法

■ 敷地面積 : 273.09m2( 約82.6坪)

■ 延床面積 : 合計 133.81m2( 約40.47坪)1階 133.81m2( 約40.47坪)

■ スケジュール :

設計期間 2008年4月~2008年11月

施工期間 2008年11月~2009年6月

■ 設計監理 : 兼間建築設計研究所

■ 施工 : 姫野組



F邸間取り

① ポーチ

② 玄関

③ ホール

④ テラス

⑤ 寝室

⑥ クローゼット

⑦ 音楽室

⑧ 居間

⑨ 食堂

⑩ 台所

⑪ 便所

⑫ 脱衣室

⑬ 浴室

⑭ 中庭

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【情報掲載日/2016年11月25日】

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