だから、平家。

» 2019/05/19/

内野輝明の平家- 2


内野輝明の平家- 2

長野県・I 邸

森の浮き床

 

非日常を満喫する空間

森林と一つになる別荘

 

自然に溶け込むようにただ静かに浮く佇まい

 

 長野県の軽井沢といえば日本有数の避暑地。オーナー宅設計の縁で高知の会社から企業保養所としての別荘の設計を依頼された内野さん。何を手がかりに設計をすすめたのだろうか。

 「まだあまり建てこんでない抜群の環境ですが、敷地内に大きな高低差がありました」。

 まず水平な土地をつくってそこに家を考える。ことはせず、建築家が選んだのは、できるだけ最初の地形をさわらない、樹木もできるだけ伐らずに、この場所に「自然に家を置く」ことであった。

 「内部はフラットで、というのが最初からの要望でしたし、基礎を高くするのもこの山に失礼な気もするし、かろやかに鉄骨の丸柱で浮かそうと。もちろん平屋で」。

 主玄関は木造の大階段だが荷物を持って出入りするサービス動線はゆるやかなスロープにして宙に浮く建物と周囲の斜面とをつないだ。

 「いわば人工地盤を支える丸柱は径も配置もランダムにして、テラスの手すりや窓周りの木製柱もサイズ、ピッチともにあえて揃えずに、家の中も家の下も、元々あった森が通り抜けていくような家にしたかったんです」と内野さん。

 森の樹木には一本として同じ形状のものはない。本来家づくりとはさまざまな規則性、きまりごとの集合体だが、そこに自然界を参照した不規則性をもちこんで、軽井沢の『森の浮き床』は完成した。

 「訪れた方が『森の中みたい』とおっしゃってくださるそうです。もちろん森の中の家なんですが、その中でもうひとつ森を感じてくださっているのだとしたら大成功です(笑)」。



鉄製の支柱によって支えられ、森の中から浮いているように見えるI邸。建築家が目指した“森と一つになる家”というコンセプトが見事に体現されている。

鉄製の支柱によって支えられ、森の中から浮いているように見えるI邸。建築家が目指した“森と一つになる家”というコンセプトが見事に体現されている。

 

窓ガラスに映り込んだ樹木のシルエットが美しい。住まい自体が、当たり前のように深い森の中に溶け込み、その一部になっていることがよくわかる。

窓ガラスに映り込んだ樹木のシルエットが美しい。住まい自体が、当たり前のように深い森の中に溶け込み、その一部になっていることがよくわかる。



森の樹木の太さがそれぞれ違うことから、あえて屋内の柱の太さも変えていったという。建築では難しいランダムな要素の工夫が心地良さにつながっている。

森の樹木の太さがそれぞれ違うことから、あえて屋内の柱の太さも変えていったという。建築では難しいランダムな要素の工夫が心地良さにつながっている。



設計コンセプト

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「斜面に建つ、家の中はフラットにしたい、木はあまり伐りたくないし、自然の山も必要以上にはさわりたくない。まわりの木立を、窓や手すりや柱のといった建築の機能に転化して家を構成する。森の中にいる心地よさと安心感を家の中に居て感じられる、そっと浮く『森の浮き床』です」(内野)



建築データ

■ 家族構成 : 企業社員

■ 構造 : 木造一部鉄骨

■ 工法 : 在来工法(木造部分)

■ 敷地面積 : 2220m2( 約670坪)

■ 延床面積 : 合計 197m2( 約60坪)1階 197m2( 約60坪)

■ スケジュール :

設計期間 2013年10月~2014年11月

施工期間 2014年11月~2015年7月

■ 設計監理 : 内野設計

■ 施工 : 光建築工房



I 邸間取り

① ポーチ

② 玄関

③ ホール

④ ゲストルーム

⑤ 和室

⑥ 大便器

⑦ 手洗い

⑧ 小便器

⑨ 洗面脱衣

⑩ 浴室

⑪ トイレ

⑫ 趣味室

⑬ 洗面台

⑭ 主寝室

⑮ リビング

⑯ ダイニング

⑰ キッチン

⑱ テラス

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【情報掲載日/2016年11月25日】

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