だから、平家。

» 2019/06/03/

原政仁の平家


原政仁の平家

吉野川市・A邸

川島の家

揺るぎない美意識が

結実した数寄屋造り

 

時が経つほどに深まる日本建築ならではの風格

 

 さまざまなタイプの家が存在するなか、21世紀を迎えた今でも、伝統的な茶室を持つ数寄屋造りこそ、やはり平家にはよく似合う。

 施主は原さんが30代初頭に手掛けた最初の本格的な数寄屋建築である『北島の家』を見て、設計の依頼を決意したという。

 「伝統的かつ正統派の茶室を持つ平家の日本建築です。デザインとしては、茶室建築の規矩を守りつつ、居住空間と差異がありながらも一体化を図っています」。

 中央の玄関を入ると、東側が生活空間、西側を茶事空間としてゾーニングしている。

 「あえて茶室を別棟ではなく同じ棟に取り込んだのは、できるだけ日常的に茶事を勤しんでほしいからです」。

 応接を兼ねる立礼の間、十帖の広間、そして、裏千家の茶室『又隠』を模した四帖半の小間『清陰庵』という3つの茶室を持つ『川島の家』。いずれも静謐な侘び空間を演出する小露路と一体となって、四季折々の美しい表情が楽しめる。

 「主なる銘木の材料は京都で調達し、超一流の大工さんを東京から呼び寄せたほどの家です。一方で茶事において客を迎える最初の場である茶庭においても疎かにすることは許されません」。

 また、広大な家の中心には光庭が設けられ、さりげなく空間を仕切るとともに、柔らかな光を周囲の室内に降り注ぐ。それはまさに谷崎純一郎が『陰翳礼讃』で描いた〝日本古来の美〞を追求し、現代日本建築として結実した住宅。

 『川島の家』には、今まで原さんが培ってきた美意識が随所に散りばめられている。



京都や大阪等で目にする瀟洒な佇まいを見せるA邸は本格的な茶室を有する数寄屋造り。吟味されつくした自然素材を贅沢に使用した美しい平家である。

京都や大阪等で目にする瀟洒な佇まいを見せるA邸は本格的な茶室を有する数寄屋造り。吟味されつくした自然素材を贅沢に使用した美しい平家である。



茶室建築の規矩を守りながらも、自身のデザインと融合させたと建築家が語るA邸。年月の経過とともに木造建築の魅力が一層顕著なものとなる。

茶室建築の規矩を守りながらも、自身のデザインと融合させたと建築家が語るA邸。年月の経過とともに木造建築の魅力が一層顕著なものとなる。

 

四帖半茶室『清陰庵』から茶庭を眺める。季節の移ろいが感じられる茶庭もまた、この家の大切な要素の一つであり、3つの茶室との一体感を持たせることで静謐な小宇宙となっている。

四帖半茶室『清陰庵』から茶庭を眺める。季節の移ろいが感じられる茶庭もまた、この家の大切な要素の一つであり、3つの茶室との一体感を持たせることで静謐な小宇宙となっている。



設計コンセプト

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「本格的な茶室空間を備えた日本建築である。『北島の家』のデザインを昇華させ、茶室建築の規矩を守りながらも現代建築と融合させる事を設計コンセプトとした。本格派の茶庭とも一体化させる事で侘び寂びの佇まいを表現する事に努めた」(原)



建築データ

■ 家族構成 : 施主・妻

■ 構造 : 木造

■ 工法 : 在来工法

■ 敷地面積 : 1330.41m2( 約402.45坪)

■ 延床面積 : 合計 312.93m2( 約94.66坪)1階 287.71m2( 約87.03坪)

車庫 25.22m2( 約7.63坪)

■ スケジュール :

設計期間 2005年9月~2005年12月

施工期間 2006年2月~2007年6月

■ 設計監理 : 原建築設計研究所

■ 施工 : 創建設



A邸間取り

① 車庫

② 正門

③ 前庭

④ 寄付

⑤ 玄関

⑥ 応接室

⑦ 待合

⑧ 外露地

⑨ 内露地

⑩ 茶庭

⑪ 茶室4.5帖

⑫ 水屋

⑬ 畳廊下

⑭ 茶室10帖

⑮ 廊下

⑯ 納戸

⑰ 客用便所

⑱ 裏庭

⑲ 子供室

⑳ 光庭

㉑ 浴室

㉒ 脱衣室

㉓ ユーティリティ

㉔ 便所

㉕ 寝室

㉖ 書斎

㉗ 衣装室

㉘ 食堂

㉙ 和室8帖

㉚ 下足室

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【情報掲載日/2016年11月25日】

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