だから、平家。

» 2019/05/17/

鳥羽知夫の平家- 2


鳥羽知夫の平家- 2

阿南市・H邸

ちいさないえ

 

建築家と施主がつくる

住み手と家との一体感

 

小さな〝木の箱〟でライフスタイルを体現

 

 限られたスペースを有効に使いながら心地良く暮らすためには、いくつもの高いハードルをクリアする必要がある。『ちいさないえ』と名づけられた阿南市に建つH邸。夫婦2人が静かに暮らす住まいは、鳥羽さんが独立して初めて手掛けた新築の住居であり、強く記憶に残る平家でもある。「こぢんまりとした感じが好きで、家は狭い方が落ち着くというお話がありました。そこで、敷地にも少し余裕があったので、平家で提案してみました」。

 シンプルな〝木の箱〞を思わせる外観からはわからないが、H邸の中央には約8畳ほどの庭がある。四方をガラス戸で構成しているため、屋内のどこにいても光と風が十分に感じられる。 「すべての空間は機能によって分かれていますが、中央の庭が一つにつなげているともいえます。それと分譲地の中での開放感、視覚的な意味での広がりも意識した設計です」 。

 内装は、構造材を現し、「木造の家」であることをシンプルに表現している 。木の床と天井、白い壁が夫婦が愛するアンティークの家具や雑貨とぴったりマッチしている。

 そのほかにこの家の特徴として、「収納」が少ない。 お仕事で転勤が多かったのと、収納があると逆に不要なモノが増えるので要りませんとの要望からだ。そして、全体の広さの割には、水廻りがゆったりしている。お風呂好きのご主人の要望と合わせ、洗面、トイレも通常より少し広くしたことが、日常の生活に豊かさを加えることが出来た。「施主の住まい方を聞き、誠実に応えていく。住み手と家との〝一体感〞を大切にしていきたいと考えています」。 ほかの誰でもない、その人たちのために建てる。まさにH邸はそんな住まいだろう。



リビングから中庭を臨む。約8畳の中庭はH邸の中心であり、すべての空間に光と風を届けるほか、身近に自然が感じられる大切な要素でもある。

リビングから中庭を臨む。約8畳の中庭はH邸の中心であり、すべての空間に光と風を届けるほか、身近に自然が感じられる大切な要素でもある。

アンティークが落ち着いた雰囲気を演出する空間。ソファで音楽を聴いたり、読書を楽しむために使っているという。

アンティークが落ち着いた雰囲気を演出する空間。ソファで音楽を聴いたり、読書を楽しむために使っているという。



サイズと位置は室内の用途によって決めているという「窓」。家の一番奥にあるベッドルームも、閉塞感は感じられない。

サイズと位置は室内の用途によって決めているという「窓」。家の一番奥にあるベッドルームも、閉塞感は感じられない。



設計コンセプト

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「『こじんまりした感じが落ち着くんです』との要望をいただき計画を進めた経緯から『ちいさないえ』となりました。竣工から11 年目。アンティークで埋め尽くされた感じが心地よく、小さな回廊ギャラリーのように感じました。家がお二人と共に、いい感じで歳を重ねていることが何より嬉しかったです」(鳥羽)



建築データ

■ 家族構成 : 二人

■ 構造 : 木造

■ 工法 : 在来工法

■ 敷地面積 : 207.87m2( 約62.99坪)

■ 延床面積 : 合計 86.74m2( 約26.28坪)1階 86.74m2( 約26.28坪)

■ スケジュール :

設計期間 2005年5月~2005年11月

施工期間 2005年11月~2006年5月

■ 設計監理 : 鳥羽知夫建築設計事務所

■ 施工 : 島出建築事務所



H邸間取り

① 玄関

② 畳

③ リビング

④ キッチン

⑤ 居室

⑥ 中庭

⑦ 寝室

⑧ トイレ

⑨ 洗面脱衣

⑩ 浴室

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【情報掲載日/2016年11月25日】

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