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来場・イベント予約

■家づくりに関するお金の「基本のき」をお伝えします

「これから情報収集するつもり」という人にも、「少しは知識があるよ」という人にもすごく役立つ内容です。
ぜひ、ご参加ください!

開催日時

■2021年2月21日(日)午前10時~お昼12時頃
■2021年3月28日(日)午前10時~お昼12時頃
※各回はほぼ同じ内容です

開催場所

あわわビル 5階会議室(徳島市南末広町2-95 )
※無料駐車場有り

内容

[導入]
・建てようネットの仕組み
・ハウスメーカー/地元ビルダー・工務店/建築家で建てる家の特長について
[本編]
・家づくりのスケジュール
 (失敗しない資金計画の立て方、ほか)
・住宅購入にかかる費用
 (物件価格だけでは家は買えない、ほか)
・住宅ローンの選び方
 (自分に合った住宅ローンの選び方と組み方、ほか)
・住宅購入後のお金
 (借り換えと繰り上げ返済、ほか)
・節税テクニック

参加無料

下のWEB予約フォーム、またはお電話(088-654-1118)でお申し込みください


■参加者さんの声(前月までに受講した方)

■一般的に聞いていたことが、実はNGだったことを知れて良かったです。
■少し勉強してきたことを再確認できました。
■具体的に考えなければいけないことが分かりました。
■どんなお金がいつ必要なのかイメージできました。
■もらった資料に記入できる箇所があったので、セミナーが終わった後に、家計の改善点や月々の積み立てについて夫婦で話ができました。

■こんな人にぴったり

■本やネット記事を読んでもよく分からなかった人
■「そろそろ家づくりを始めたい」と考えている人
■新婚さん
■「親と同居しようかな」と考え始めた人
■今のところ予定はないけど「いつかは家を建てたい」と思っている人

■講師

倭 和代 氏
株式会社Qua(クア)代表取締役、日本FP協会徳島支部支部長、ファイナンシャルプランナー(AFP)、キャリア・コンサルタント、産業カウンセラー。カウンセリングルーム「Primo」(個別カウンセリング)を開設し、家計相談・進学資金・ライフプランなど、お金に関する悩みや心配事を抱える人を多角的にサポートしている

[コトコトハウス]の完成見学会は終了しました。
たくさんのご来場、ありがとうございました!


その名も[コトコトハウス]

6月開催の構造見学会で好評をいただいた
[コトコトハウス]が間もなく完成します。

今回は施主様のご厚意で、完成見学会を開催できることになりました!

建築家のアイデアがたくさん詰まった住宅を見学できる絶好の機会です。
これからお家づくりを始める方は、ぜひご参加ください。

[便利な街なかにありながら、プライバシーにも配慮した造りです]

開催日時

10月10日(土)午前10時~午後4時30分(最終受付)
10月11日(日)午前10時~午後4時30分(最終受付)
※お一組につき30分ずつ

徳島市/JR佐古駅周辺
※詳細はご予約が確定した方に直接お伝えします

事前予約制

ご予約は下のWEB予約フォーム、またはお電話(088-654-1118)でお願いします


コトコトハウスとは?

中庭(コート)が二つ(コート+コート)あるから[コトコトハウス]。
便利な市街地にありながら、周辺環境からプライバシーをしっかり守る設計です。
一方、家の中は開放的で、中庭(コート)から光や風を感じる心地よい空間が広がっています。
家事動線もラクラクの快適でスタイリッシュな平屋です。

設計・監理
開(はり)達也
[開建築設計事務所]
施工
フィアスホーム徳島店

[中庭から自然光や風を感じる開放的な内部空間]

建て主と建築家との出会いをつなげます

建てようネットは、あなた(建て主)が「自分にぴったりの建築家に出会う」場です。

徳島県で40年以上、タウン情報誌を発行してきた[株式会社あわわ]が運営。
日々の取材で蓄えた「優秀な建築家」「信頼できる工務店」の情報を提供します。
そして、利用料は無料です。

2005年にサービスを開始して以来、人生最大の買い物をするあなた(建て主)の視点に立って、自分らしい家・店舗づくりのお手伝いをしています。

建てようネットに登録している建築家はすべて徳島県在住で、地元の風土・気候を知り尽くした人ぞろい。
経験豊かな建築家は、あなたの夢の実現に豊富なアイデアで応えてくれるでしょう。

なぜ利用料が無料?

建てようネットは、登録している建築家と工務店からの広告収入で運営しています。
この広告費は、建築家・工務店の年間経費の中から捻出されていて、建て主への設計料や工事費に上乗せされるものではありません。
※建てようネットと建築家・工務店との間で、これに関する文書を取り交わしています。


「紹介状」発行の条件

あなた(建て主)が建築家と面談する前に、建てようネットから「紹介状」を発行します。
紹介状発行には「施工会社は建てようネットの登録工務店の中から選ぶ」というルールがあります。

理由は二つ。

一つは、登録工務店は登録建築家と幾度となくタッグを組んだ実績があり、
登録建築家からの推薦があってはじめて、建てようネットに加盟できるから。
難易度が高い施工でもトラブルが少なく、安心して任せられるのです。

もう一つは、建てようネットの運営が成果広告のビジネスモデルであること。
「建築家は紹介してほしいけど、施工は知り合いの工務店(親戚の大工さん)にお願いしたい」という場合は、今の運営システムでは対応できなくなります。

もっと詳しく

[建てようネット]があなたのために出来ること

[建てようネット]での家づくりの流れ

[新築住宅][店舗・施設・病院][リフォーム/リノベーション]のご相談はぜひ、建てようネットへ!


[1]あなた(建て主)にぴったりの建築家探しをサポート

建てようネットには、徳島県在住の有名建築家(24名)が登録。
その中から、あなたにぴったりの建築家に出会えるようにお手伝いします。

[2]充実の「ライブラリー」をご用意

登録している建築家・工務店のことがよく分かる施工例ファイルをたくさん用意しています。
実例が豊富にそろう建てようネットのオフィス。その別名は「ライブラリー」
デザインの傾向、得意な工法、これまでの実績・施工例などを具体的に見ていただけます。


[3]マッチングするのは住宅、店舗・施設・病院など

新築・リフォームといった住宅はもちろん、ビルや店舗、店舗併用住宅なども建てようネットをご利用ください。人気店・繁盛店の建築に携わってきた登録建築家なら、集客力の期待できる店舗開発も可能です。


[4]建築家へのアポイント代行と紹介状の発行

面談希望の建築家へのアポイントは建てようネットが代行。複数の建築家との面談はもちろん、「もう一度会って話を聞きたい」という再面談も可能です。
建築家との面談に際して、建てようネットから紹介状を発行しています。お客様の情報は、建築家との面談ならびに建てようネットの運営・サービス向上の目的以外には使用しません。


[5]選ばれなかった建築家への返事を代行

面談した建築家の中から1人を選んだ後、ほかの建築家にお断りの連絡をするのは気が引けるかもしれません。でも、大丈夫。言いにくいお断りの連絡は、建てようネットが代行します。


[6]競争見積もり(建設工事費)が可能

登録建築家から推薦のあった実績豊富な地元工務店(23社)が登録。競争見積りを行うことができるのも、建てようネットの大きな特色です。
※建てるタイプの条件によって、特命(1社指名)発注を提案する場合があります。事前に建築家に聞いておきましょう。


[7]見学会の実施

建てようネットで建てた家の構造見学会や完成見学会を実施しています(不定期)。建築家の設計した住宅を実際に体験できる貴重な機会です。


[8]セミナーや勉強会の実施

建築家やいろいろなジャンルの専門家を招いて、セミナーや勉強会を実施しています(不定期)。あなたの家づくりの視野を広げるのに役立ちます。

[1]ライブラリー

まずはライブラリーにお越しください(予約制)。
※建てようネットが誇る豊富な実例ファイルがそろうオフィスは「ライブラリー」と呼ばれています。

建てようネットのコーディネーターが家づくりのご相談、建築家選びをお手伝いします。

・「情報収集をはじめたばかりで、家づくりの方向性が定まっていない」
・「ハウスメーカーや地元工務店も検討中」
・「土地が決まっていない」
という方もお気軽にどうぞ。

[2]建築家選び(面談の候補者)

ライブラリーの資料を見ながら、好みの建築家を数人お選びください。


[3]建築家との面談

数人の建築家と実際に面談して相性を確認します。
面談のアポイントは、建てようネットにお任せください。


[4]建築家を決める

面談した中から正式に依頼する建築家を選びます。
選ばれなかった建築家へのお断りの連絡は、建てようネットが代行します。

ここから先はあなた(建て主)と建築家とで進んでいきます。
設計は建築家が「決定」してからスタートします。

[5]設計

設計は大きく3段階に分かれています。

■ 計画(構想)

建築家があなた(建て主)からの要望、敷地などに対する建築基準法の条件を整理。
どういう建物にするか具体的なアイデアを導きだしていきます。

■ 基本設計

・基本設計図は建て主が建物の全体を把握するために作られます。
・建築工法、構造、階数、形、間取りなど、設計の骨格部分が決まります。

■ 実施設計

・あなた(建て主)が基本設計を了承したら、建築家は実施設計図を作成します。
・実施設計図は工事をするための詳細な図面で、これに沿って本見積もりが出されます。


[6]見積もり

建てようネット登録の工務店の中から、原則として競争見積もりで工務店を決定します。
※見積もりの実務は建築家が行います。
※条件(建物の仕様や規模、建築家)によって特命(1社指名)発注を提案する場合があります。


[7]施工

工務店とのいい関係も家づくりの大きなポイントです。


[8]完成・引き渡し、家守り

建築家と工務店が協力しあって、建物のメンテナンスをサポートしてくれます。

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(181棟目)をご紹介します
[阿南市・M邸]
設計:野田 雅之
施工:湯浅工務店

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました

[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ


House photo コレクション

「平屋のような、二世帯住宅」

[収納力たっぷりのアイランドキッチンは、デザインに〝アール〟の要素を施したオリジナル。小上がり式の小さな和室はご主人のくつろぎスペースとなっている]



[1]限られた広さの2階スペースをリフォームしたとは思えない、平屋のような開放感を実現。右手前のドアを開けると階段が表れる。

[2]天井の梁を露出させ、漆喰や間接照明による演出を加えることで一気に開放的かつ個性的な空間に。まさに〝古と新〟が融合している。


[3]家の西側に玄関部分を増築。寄せ棟造りの実家と新たに生まれたフラットな建物のコントラストが美しい。家族やゲストはこちらの入口を利用。

[4]増築した外階段を上がると、玄関前の土間スペースが出現。西側の窓の向こうには、大草原のような美しい田んぼの景色が広がっている。


[5]玄関にも作り付けの収納家具を設置。ガラスの引き戸を採用しているため、明るい光が差し込む開放的な空間となっている。

[6]ほとんど使われていなかった実家の2階をリフォーム。以前は壁で仕切られた3つの小さな部屋があった。もともと変形した間取りとなっており、リフォーム前は部屋が全体的に暗く感じる。


レポート&インタビュー

リフォームだけど理想の住まいに

就学前のお子さまを持つ施主が新たな住居として希望したのは、ご主人の両親が暮らす実家の二世帯住宅化。あまり使われていなかった2階部分をリノベーションすることで、2つの世帯がほどよく交流しながら豊かに暮らせる家づくりを目指した。

「リフォームだけど新築のように魅力的な家づくりがしたかったんです」と話すのは、ずっとマイホームの実現を夢見ていた奥さま。だからこそ、ゼロからコンセプトやデザインを一緒に考え、新たな可能性を生み出してくれる建築家の起用は当然のことだったと言う。

「実際に暮らすのは2階だけど、平屋のような暮らし方ができる空間がほしくて。坪数は広くないけれど、子どもが遊ぶスペースや収納もほしいし、意匠性にもこだわりたかった。建てようネットを通じて野田さんをパートナーに選んだのも、オリジナル家具を含めた家づくりに定評があったからです」

もう一つ、ご家族が建築家に要望したのが、心地良いリビングを中心とした暮らし。そんな考え方も「個室は最小限のスペースで良い」と考える野田さんと一致した。まず野田さんがイメージしたのは、家族の生活ややコミュニケーションの基本となる横長の大きなダイニングテーブル。そこから生まれる豊かな暮らしを逆算しながら、LDKを中心とした建築デザインが構築されていくことになる。


家のポテンシャルをいかに引き出すか

今回採用した間取りは、畳スペースを併設した広いLDKと小さな寝室、トイレやお風呂などの水回りというシンプルなもの。3つの部屋を仕切っていた壁を取り払い、南からの明るい光を家中に取り込んだ。

「建物が持っている歴史やポテンシャルを少しでも引き出せるよう心掛けています」と野田さん。その言葉通り、ダイニング上部の天井を取り払うことで小屋組みの立派な梁を露出させ、開放感で存在感のある空間をつくり出した。手加工による漆喰塗りの天井が間接照明によって浮かび上がり、周囲に優しい光を落としている。

また、奥さまの希望を受け、開口部にアール(角丸)を用いたデザインで統一。外壁の内側にプラスターボードを張ることで、コストを抑えながらも、窓や通路、天井など、あらゆる場所にアールのある、かわいい空間を実現した。

さらに、畳スペースやリビングの一部を小上がりにすることで、収納スペースをしっかりと確保。構造上必要だった2本の柱の間にはブランコを設置するなど、限られたスペースを最大限に活用している。

「このブランコは子どもの友達にも大人気。10人近くのゲストを招いても、みんなでゆっくりお食事もできるんですよ」と奥さまも笑顔。〝古と新〟が融合した新築のようなリフォームが、また一つ完成した。

Mさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
野田雅之
1974年生まれ、血液型O型、獅子座。
名城大学理工学部建築学科卒業。
岡田昭則建築研究所(兵庫県)、剛建築事務所、Celiaを経て独立。
一級建築士。

M邸の設計コンセプト

ご主人の実家の木造2階建て住宅を1階にご両親、2階に息子世帯が住むために2階だけリフォームを行った。生活リズムが違うため玄関を2階に増築した。2階建住宅の2階部分は個室にすることが多く、壁、柱が細かく入っていることが多い。そのため、家族、友人が集うことのできる大きなLDKを作るために、入念な調査と計画が必要でした。外と内、古と新、過去と未来、その対比を建築で少しでもカタチにしたかった。既存のままの外壁と改装した新しい間取り、古い小屋組みと新しいリビング、思い出とここからできる楽しい体験をつくって欲しい。

建築データ

■家族構成:夫婦、子供1人
■構造:木造2階建て
■工法:2階をフルリノベーション
■敷地面積:622.29平米(約188.57坪)
■延床面積:2階77.59平米(約23.47坪)
■スケジュール
設計期間:2017年9月~2018年3月
施工期間:2018年4月~7月
■設計監理:CALL SPACE DESIGN
■施工:湯浅工務店

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(180棟目)をご紹介します

[徳島市・K邸]
設計:伊月善彦
施工:島出建築事務所

Contents

[1]House photo コレクション
[2]レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました
[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ

House photo コレクション

「温かさに満ちた、個人主義」

[内庭や吹き抜けから優しい光が届けられるLDKは、引込戸によって和室を個室化することも可能。階段近くに設けたL字のハンガーパイプは服を掛けるのにも便利]


[1]キッチン周りや収納、テーブルなどを造り付けることによってデザインを統一。マットな質感のステンレス壁がアクセントとなっている。

[2]2階の寝室にも無垢材を使用。テラスとの間にはサンルームが設けられており、隣家との適切な距離感をとることにも成功している。

[3]階段の手すり部分を本棚としてマルチに活用。吹き抜けのハイサイドライトが上下階に光と風を届けている。

[4]玄関先に設けられたパンチングメタルの扉。モダンな外観の印象に磨きを掛けながら、日々のセキュリティを高めている。

[5]玄関先の内庭。採光や道路との距離感など、この小さなスペースが日々の暮らしに豊かさをもたらしている。


[6]ご主人の要望により、建築の巨匠・コルビジェのデザインを意識したモダンな外観。真っ白な壁面には、奥さまが希望したガルバリウムを使用。

[7]南欧を思わせる白い外観は、夜になるとネガとポジを反転させたような美しい表情へと移り変わる。


レポート&インタビュー

家族を集わせながら個々の時間も楽しむ

実家の道路向かいにあった土地を活用し、就学前の子どもと暮らすための家づくりを決意した施主。もともと建築に興味を持っていたこともあり「建てようネット」では4人の登録建築家と面談を行った。

「建てようネットの担当者が『いろんな建築家の意見を聞くことで、参考になることも多いと思いますよ』と言ってくれたんです。どの建築家の提案も個性があり、いろんなアイデアや考え方を今回の家づくりに活かすことができました」とご主人は振り返る。

今回の間取りは1階に和室を併設した広いLDKを設け、2階に寝室と子ども部屋、ご夫婦それぞれの趣味室を配置した。家族のコミュニケーション空間とプライベート空間を両立するにあたって「個人主義だけれど、温かい感じを目指しました」と建築家の伊月さんは話す。

床材には上下階とも杉の無垢材を用い、キッチンのロングテーブルやベンチ、収納棚などもすべて造作。白い壁やキッチンに採用したステンレス壁との絶妙なコントラストが、ナチュラルで心地良い空間を生み出している。

「自然素材をふんだんに使っているんだけど、階段や造作家具に用いた金属部分とも完璧に調和しているんです。そのバランス感覚も、伊月さんの特徴の一つだと感じています」とご夫婦は声を揃える。


暮らすほどにわが家を好きになる

敷地の南面に道路がある場合、普段の生活は視線を気にしてクローズになりがち。そこをクリアさせるために採用したのが、玄関先に設けた内庭と、リビング階段の吹き抜けに設けたハイサイドライトの存在だ。室内に季節に応じた自然光を運んで来るため、家の中はいつも心地良さに包まれている。

シンプルながらも独特の存在感を放つ外観も、こだわったポイントの一つ。「コルビジェのような雰囲気にしたい」というご主人の要望を受け、周囲の風景に溶け込みながらも近代的なフォルムを作り上げた。特注したパンチングメタルの扉が、モダンで個性的な表情に磨きを掛けている。

伊月さんは、自らの建築デザインのスタンスについて次のように話す。

「10年ほど前に自分の家を設計した時に『どんなリゾートよりも、ここがいいな』って思えた。デザインのコンセプトは違っても、施主にも同じように感じてもらいたいなって」。

 そんな彼の哲学は今回の住まいにもしっかりと乗り移り、大きな満足感とご家族の幸せな笑顔を生み出した。

「どんな場所よりも自分たちの家がイイと心底思えるんです。数え切れないほどのわがままを言いましたが、本当に楽しい家づくりでした」とご夫婦は満面の笑みで話してくれた。


Kさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
伊月善彦
1961年生まれ、A型、射手座。
私学文系に進学するも、経済学についていけずリタイア。
その後建築家を目指し建築デザインの学校に再入学。
徳島、大阪の設計事務所を経て独立。
一級建築士。

K邸の設計コンセプト

徳島市内の古くからある住宅団地の一角に建つ白い住宅。広くはない団地内道路に対して建物を敷地奥に配置して門、塀を設けずパーキングと道路のエスケープゾーンを兼ねるよう配慮した。とはいえ施主もセキュリティには気をつかっていたため玄関ポーチ手前にもう一枚ドアを設置しプライバシーを守られる玄関前内庭とした。この内庭があることにより、市街地の道路に対して南向き、1階リビングプランにありがちな道路の視線に気をつかうことなく外部と内部が繋がったおおらかな日々の暮らしが展開できると思う。

建築データ

■家族構成:夫婦、子供1人
■構造:木造2階建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:160.22平米(約48.346坪)
■延床面積:
合計 142.88平米(約43.21坪)
1階 76.16平米(約23.03坪)
2階 66.72平米(約20.18坪)
■スケジュール
設計期間:2017年4月~10月
施工期間:2017年12月~2018年6月
■設計監理:moon at.
■施工:島出建築事務所

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(178棟目)をご紹介します

[板野郡・T邸]
設計:中村 正則
施工:小野建設

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました
[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ

House photo コレクション

「家族の集いを、優しく誘う家」

[寝室と子ども部屋の間に設けられた共有スペース。現在は子どもの遊び場として、将来的には第2のリビングなどとして使うことができる]


[1]上下階をつなぐ吹き抜けは光や風だけでなく、家族の気配も運んでくる。1階と2階の気温を一定に保つことにも貢献している。

[2]LDKの横に設けられたサンルームは、冬場でもエアコンがいらないほどポカポカ。庭の風景とも一体となっており、暮らし方を豊かに演出してくれる。

[3]思わずゴロゴロしたくなる和室。間仕切りを取り払うことでLDKと一体化させており、限られたスペースにもかかわらず抜群の開放感を誇る。

[4]広々としたシューズクロークを併設した玄関。ご主人のロードバイクを収納するためのスペースも設けられている。

[5]夜になると、行灯のような優しい光を周囲に放つ外観。木材を用いた現しの天井も、雰囲気づくりに一役買っている。

[6]木造フレームのアプローチが家族やゲストを迎える外観。駐車場スペースにも緑地化を施すなど、屋内外に自然の要素を取り入れている。


レポート&インタビュー

共有スペースで家族の交流を加速

ちょうど2人目の子どもが産まれた時期に、子どもをのびのびと育てられるマイホームの新築を考え始めたご夫婦。
建てようネットの面談を通じてパートナーに選んだ建築家は、“家族の関係づくり“を最重視する中村正則さんだった。

「中村さんには、土地選びにもご協力いただきました。最初は候補に入っていなかった実家の土地を選んだのも、適切なアドバイスをいただいたお陰です」とご主人は喜ぶ。

最初の企画提案で中村さんがご夫婦に提示したプランは3つ。
家の間取りや土地の活用法が多様に描かれたイラスト図案をもとに、ご夫婦が自分たちの具体的な希望を加えていった。

今回の建築デザインで中村さんが一番こだわったのも「家族の関係性」を深めるための間取り。どこにいても家族それぞれの気配が感じられるよう、できるだけ壁で仕切らない間取りを心掛けた。キッチンに立つ奥さまのもとには、2階で元気に遊ぶ育ち盛りの子どもたちの声が届けられるという。

「個室はできるだけ小さくし、共有スペースを広く心地の良い空間にすることで、子どもたちは自然に部屋から出てきてくれます」と中村さん。2階の中央に設けられたプレイルームは子ども部屋と一つの空間として機能し、部屋中を自由に駆け回る子どもたちの格好の遊び場として活躍している。

夫婦の幸せを一番に考える

家族が集う1階の空間は、リビングとキッチン、和室、サンルームで構成。空間一つ一つの面積はそれほど広くないものの、間仕切りを取り払った吹き抜けのある空間は、想像を超える心地良い開放感を放っている。

また、床や天井に用いた杉材や珪藻土クロスなど、建築材には心にも体にも優しい自然素材を使用。木造の軸組工法を用いた現し(あらわし)によって、木材の表情をナチュラルな空間デザインへと昇華させた。

さらに、2階部分に張り巡らせたハイサイドライトによって、各方角からの明るい光と風通しを確保。夏にはそよ風の吹く木陰のような心地良さを、そして冬には太陽光と蓄熱ファンヒーターによる包み込むような暖かさを得ることができる。

「リビングに隣接するサンルームも、太陽の恵みを享受しながら、高齢になっても豊かに暮らすための空間です。国は断熱性能を高めるために窓の面積を抑えるなどの方針を打ち出していますが、もっと豊かに暮らすための家づくりにこだわっていきたい」と中村さんは話す。

もう一つ、中村さんが大切にしているのが「夫婦の未来」を一番に考えたデザイン。子どもが自立した後のライフスタイルも含め、施主の豊かな人生の在り方をトータルで考えるからこそ、すべての世代が心地良く暮らすための家づくりが可能になるのだ。

Tさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
中村 正則
1952年生まれ、血液型O型、獅子座。
法政大学工学部卒。
森下建築設計事務所を経て、独立。
一級建築士。建築士会バリアフリー研究会、徳島ユニバーサルデザイン研究会に所属。

T邸の設計コンセプト

働く夫婦と2人の子どものご家族がご実家の隣に建てた住宅。郊外の良さを活かして、のびのび子育て、自分たちの趣味や楽しみも実現し、ご実家との助け合いも。杉をふんだんに使った自然素材の家は、夏はエアコン無しでも暮らせ、冬はポカポカ・サンルームで。将来にもフレキシブルに対応できるオープンな住まいは、どこにいても家族の気配が感じられる。

建築データ

■家族構成:夫婦、子供2人
■構造:木造2階建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:261.42平米(約79.2坪)
■延床面積:
合計 126.4平米(約38.2坪)
1階 69.7平米(約21.1坪)
2階 56.7平米(約17.1坪)
■スケジュール
設計期間:2016年5月~2017年6月
施工期間:2017年7月~2018年2月
■設計監理:M&N都市建築設計事務所
■施工:小野建設

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(175棟目)をご紹介します

[徳島市・K邸]
設計:中野次郎
施工:北島建設

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました

[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ


House photo コレクション

「柔軟な未来を、デザインする家」

[コの字型の建物の中央に設けられた中庭。深い軒の下にはリビングとフラットな床を設け、内と外をつなぐ中間領域として機能している]


[1]南側の大きな開口部から光を取り込むLDK。壁によって周囲からの視線が遮られているため、ロールカーテンを開けた状態で生活することができる。

[2]人の流れを遮らないよう横向きに設置されたアイランドキッチン。カウンターの足元を彩るタイルは、施主のこだわりによるもの。


[3]LDKの向かいにあるゲストルーム。ライフスタイルの変化に合わせて自由な使い方ができるよう、シンプルなデザインが施されている。

[4]2階の個室は、施主の趣味や嗜好を活かした空間に。東京のショールームまで一緒に足を運び、デザインコンセプトを決定したそう。


[5]リゾートホテルを思わせる開放的な水回り空間。ガス暖房を用いているため、冬場でも暖かい空気に包まれている。

[6]ウッドデッキの上部に深い軒を備えたベランダ。庭側の壁の一部に透過性のある手すりを用いることで、太陽光をプライベート空間に届けている。



[7]ガレージは玄関と隣接しているため、人目を気にすることなく屋内に移動することが可能。勝手口とつながる裏街道的なルートも用意されている。

[8]施主の憧れだった打ちっ放しを東側の外壁として使用。上部の角度を屋根の勾配に合わせることで、一体感のある風景を生み出している。



[9][10]玄関の青い壁が印象的なファサード。2階部分をセットバックさせることで、街に優しく調和する佇まいを実現している。



レポート&インタビュー

足し算よりも引き算を重視する

ご家族の商売の歴史を支えてきた思い入れのある土地に、次代を担う子どもが暮らすための家を新築したい。そんな目的でスタートした家づくりだったが、そこには3世代それぞれの住まいや今後の暮らし方に対する思いが交錯していた。

「息子さんが暮らすだけではなく、県内外の親せきが集まる場所になったり、多様なゲストをお迎えしたりする機会も出てくるとのことでした。3世代をつなぐ縦軸と同時に、いろんな方々との関係をつなぐ横軸を満たす必要があったと言えます」と建築家の中野さん。

“コの字型”の建物の北側には、南側から豊かな光が届くLDKを配置。緑の人工芝が印象的な中庭を挟んだ向かい側に、フレキシブルに使える広いワンルームを設けた。現在は〝ゲストルーム〟と名付けられてはいるが、実はこの部屋の存在こそが今回の家づくりにおいて大きな意味を持っている。

「3世代それぞれのご意見を伺い、家の機能として次々に足していくのは思考的には楽な方法です。ただ、実際の建物のスケール感や全体的な予算を考えた時には『何を足すか』よりも『何を引くか』の方が大切になることが多いのです。南側に自由に使える空間を設けたのも『こう使いたい』と決めつけるより『こう使えるのではないか』という発展性を重視した結果です」と中野さんは話す。


「明確な答えを出さない」という高度な柔軟性

あえて目的をあいまいにした空間を設けること。それは簡単なように見えて、非常に難しい作業だ。実際、中野さん自身も「将来的にはこんなふうに使われるはず」という明確な答えを用意していない。その絶妙な感覚は、これまでの経験の中で培ったものではないかと思わされる。施主は、中野さんとの家づくりの思い出について、ちょっぴり楽しそうに話し始める。

「こちらが『こんなふうに使いたい』と言っても『いえ、あえて決めつけずに将来的な余白を残しておきましょう』って。時には県外にも足を運びながら、私や祖父、息子の意見を本当に一生懸命に聞いてくれるのですが、私たちの意見を上手に取り入れる部分と、新たな提案をいただく部分のバランスが本当に素晴らしいんです」

今では親戚が帰省した時の寝室として使ったり、広々とした収納空間として使うなど、そのフレキシブルさを十分に活用。「いつかは庭で映画を見たい」という子どもの夢も、余白を残した引き算の家づくりが導いた結果だと言えるだろう。

もちろん、アメリカ西海岸の雰囲気にまとめた2階の個室や、施主の憧れだった庭の打ちっ放しのコンクリート、外国製の水回りなど、個々の要望も随所に反映。それぞれが好きなものに囲まれながらも、自由に未来をデザインできる家が、ここに完成した。


Kさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
中野次郎
1974年生まれ、血液型O型、蟹座。信州大学工学部卒。
北島コーポレーションで企画設計を担当の後、独立。
一級建築士、インテリアコーディネーター、一級施工管理技士。

K邸の設計コンセプト

都市部のコートハウス。線路、国道、近接建物からプライバシーを守りつつ、拡がりある豊かな空間を成立させることに努めた。室内→軒下→中庭、そして屋内つながりの『はなれ』という空間構成は、利用シーンにバリエーションをもたらす。晴れの日はリビングと中庭を合わせて開放的に過ごす。シトシト降る雨の日も、深い軒の下にテーブルを出す。日が暮れて自らの家の灯りに囲まれる安心感。

建築データ

■家族構成:3世代
■構造:木造2階建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:413.47平米(約125.07坪)
■延床面積:
合計 178.92平米(約54.12坪)
1階 42.49平米(約43.10坪)※車庫含む
2階 36.43平米(約11.02坪)
車庫 40.58平米(約12.27坪)
■スケジュール:
設計期間:2015年8月~2016年8月
施工期間:2016年10月~2017年8月
■設計監理:ナカノジロウ建築デザイン事務所
■施工:北島建設

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(174棟目)をご紹介します

[徳島市・T邸]
設計:竹内郁夫
施工:新井建設

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました
[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ

House photo コレクション

「新旧の匂いが、交差する家」

[1]家具が入った後のLDK。トップライトから優しい光が降り注ぐ。無垢材やタイル、漆喰など複数の素材で空間を構成することで、抜け感をさらにアップさせている。


[2]アイランドキッチンは、奥さまの身長に合わせて高さを調整。キッチン上部の天井にも無垢材を使用し、より温かみのある空間に。


[3]浮造りのフローリングが、足元を心地良く刺激するLDK。東側の土間が愛犬たちの居場所。トップライトの周囲は化粧垂木によってデザインされている。

[4]北側の通りから見た外観。向かって左の通路を奥に進むと玄関がある。駐輪場のルーバーによって一体感のあるデザインを実現。

[5]木材を重ねてつくった框のデザインが美しい玄関。視線の先には、旧家の建具と坪庭が出迎えてくれる。壁上部の開口部はリビングとつながっているため開放的。

[6]重ね張りが施された無垢材の壁が印象的な東側の外観。深めの軒を設けることで、屋内に入ってくる光の角度をコントロールしている。


レポート&インタビュー

施主の熱量を住まいの個性に変えて

まったくゼロの状態から、自分たちだけの理想の住まいを形作る─。
それは建築家を家づくりのパートナーに選ぶ最大のメリットと言える。施主が抱く夢や希望への熱量が大きければ大きいほど、完成した住まいには個性が宿り、大きな輝きを放つことになる。

今回のキーパーソンとなったのは、以前から家づくりへの強い情熱を抱いていた奥さま。築70年以上の歴史を持つ旧家を建て替えるにあたり、細かな要望にしっかりと応えてくれる建築家との家づくりを望んだ。

「建てようネットで竹内さんをご紹介いただいたのですが、今までに手掛けられていた住宅やカフェの雰囲気にすっかり魅せられてしまって。また、家相を取り入れた家づくりの経験をお持ちだったことも、パートナーとして指名させていただくきっかけになりました」

奥さまが、今回の家づくりにおいて欠かせない要望として掲げたのが「光、風、緑などの豊かな自然を取り込む」、「ペットも家の中で心地良く暮らす」、「多人数のゲストを招きやすい空間」の3つ。玄関や水回り、部屋などの位置が家相によって決められる中、ご家族の要望を最大限に満たしながら、心地良く暮らせる空間を提案することが、建築家の大きなミッションの一つとなった。


旧家の歴史と魅力を新築にプラス

 南北に伸びる敷地を活かすため、家族が集うLDKと、寝室や書斎などのプライベートスペースを北側と南側に分割して配置。南側に建つビルからの視線を防ぐため、LDKにトップライトを設けることで明るい光を確保した。

また、リビングの東側には庭とつながる細長い土間を設置。内と外をゆるやかにつなぐ中間領域は、愛犬たちの居場所としても存分に機能している。さらに、心地良い空間づくりに定評がある竹内さんが着目したのが、旧家に使われていた柱や建具、家具などの素材だった。

「ご主人のおじいさんが大工をされていたこともあり、家の建具や家具などを自らの手で丁寧に作られていました。家族の歴史が詰まった素材を新しい住まいにも活かしたいと思ったんです」

真新しい浮造りのフローリングや漆喰壁、タイルなどを用いたリビングに、経年変化によって存在感を増した建材をミックスさせることで、新旧の絶妙なコントラストを生み出すことに成功している。引込戸を解放すればリビングと和室は一体化し、多くのゲストを気持ち良く迎える場へと早変わりする。「まったく新しく生まれ変わった家を見て、親せきは『昔の家に戻ってきたみたい』って言ってくれるんですよ」と奥さまは嬉しそうに笑った。


Tさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
竹内郁夫
1969年生まれ、血液型A型、さそり座。
九州産業大学工学部建築学科上和田研究室、現場監督、丹羽建築事務所を経て独立。
二級建築士 徳島大学工学部非常勤講師。

T邸の設計コンセプト

敷地には間口の狭いおじいさんが建てた歴史のある町屋が建っていました。木の外壁、木の窓を使用したこの建物を修繕して使うのは準防火地域にあるために無理があり、そこで使える柱、床、建具を新しい住宅で生活していて感じられるところに使用。プランもオーソドックスに真ん中でパブリックとプライベートを分けています。敷地の南側には中層ビルが建っており、建物の日当たり内部仕上げは気を遣いました。壁はドイツ漆喰、床には暑さ30mmの杉を浮造り加工しているため体感温度が違います。内部仕上げも杉を使い温かみのある部屋に仕上げました。

建築データ

■構造:木造平屋建て
■工法:木造在来工法
■敷地面積:315.18平米(約95.28坪)
■延床面積:
1階120.31平米(約36.39坪)
■スケジュール
設計期間:2014年8月~2016年11月
施工期間:2016年12月~2017年8月
■設計監理:IKU建築設計事務所
■施工:新井建設

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(173棟目)をご紹介します

[阿波市・K邸]
設計:内野輝明
施工:番匠中山

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました
[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ

House photo コレクション

「受け継がれる風景を、暮らしに宿す」

[1]南北の窓とトップライトから明るい光が降り注ぐリビング。本棚や食器棚は造り付け。回遊性を持たせた対面型キッチンも奥さまから好評。


[2]家族が集うリビングは、すべての部屋に隣接しているので移動もスムーズ。壁には、調湿性を持った自然素材の紙クロスを用いている。

[3]リビングと隣接する和室。障子を閉じれば、個性豊かな木々が乱立する、ふるさとの森の中に佇んでいるような気持ちになれる。

[4]和のデザインが心地良い主寝室。高さや大きさの異なる窓にも、森の風景をイメージさせるためのデザインが施されている。

[5]深い軒を支えるため〝舟肘木〟と呼ばれる部材を採用。機能性と美しさを兼ね備えた日本建築の様式美が、日々の暮らしを豊かに彩る。


[6]縦に長く伸びるランダムな幅のスリットは〝森の風景〟をイメージしたもの。流木の取っ手がナチュラルな雰囲気を演出している。

[7]玄関を開けると南側の開口部が見える。玄関には網戸も設置されているため、夏場も風通しをキープできる。入って右側には下足室も設置。



[8]格子のアーチが印象的な、道路側から見た外観。「アーチは僕の中で、プライベートとパブリックの境界のような存在」と内野さん。

[9]南側から見た外観。東西に長い縁側が設けられており、雨の日も深い軒があるため安心。大小さまざまな窓は、どれも内部空間からの必然で配置されたもの。


レポート&インタビュー

実家の山の木で家づくりを実現

実家で代々受け継がれ、育んできた山の木を使い、育ち盛りの子どもと仲良く暮らせる家を建てたい─。そんな思いのもと、念願の家づくりをスタートしたご夫婦。難しい条件に柔軟に対応してくれる建築家との家づくりを望んだのも、当然の流れだったと言える。

『建てようネット』を通じて何人かの建築家と面談を行った結果、ご夫婦が家づくりのパートナーに選んだのは内野さん。
「木の使い方や見せ方など、そのセンスの良さに惚れ込んでしまいました。私たちが要望を伝えると、その場で『じゃあ、こうしましょう』と具体的なプランを提示してくださるんです」とご主人は振り返る。
内野さんを選んだもう一つの理由が、施主が所有する木を用いた家づくりへの勝算だった。内野さんは次のように話す。

「実家の木を使う方が、一般的なやり方で材料を購入するよりもお金が掛かります。そこで、長いお付き合いの宮大工の中山さんなら木材の加工から施工までをお任せできるのでコストと完成度を両立できると考えました」

ちなみに今回の住まいでは、天井の構造部分があらわしになっているが、南側の桁で深い軒を支えるために〝舟肘木〟という日本建築の技術が使われている。社寺建築などで度々協働してきた、建築家と施工会社の阿吽の呼吸がもたらした産物であると言えるだろう。


ランダムデザインでよりナチュラルな空間に

「あまりに立地条件が良すぎて、建築家としては逆に試されている部分もあった」と笑う内野さん。南側に建物がなく東西に長いという好条件の敷地を活かし、LDKや主寝室、和室、子ども部屋のすべてが南面するように配置した。リビングはすべての部屋とつながっており、引き戸を開ければ、一つの開放空間として使うことができるようになっている。

また、平屋であることを活かした高い天井にも、実家の山の木々を贅沢に使用。日中はトップライトやハイサイドライトからも光が入り、高窓を開ければ風井戸効果もあり、夏場もエアコンなしで過ごせるほど涼しい。リビングの一角には、ご主人の夢だった薪ストーブを設置。屋根他の断熱性能を高めているため、冬場の就寝時にもエアコンは必要ないそうだ。

もう一つ、内野さんがこっそりと仕掛けたのが〝森の風景〟を家の中に漂わせるデザイン。リビングの本棚の収納スペースや、障子の組子、玄関ドアのスリットの幅をランダムにして横桟を極力入れないことで、様々な針葉樹が立ち並ぶ風景をイメージしている。

「このデザインには、そんな意味があったんですね!」と驚くご夫婦に「実はそうなんです」と初めて話されている様子の内野さん。実家の両親が率先して伐り出した木材は研ぎ澄まされたデザインによって新たな命を吹き込まれ、次世代の暮らしに溶け込んでいくのだ。


Kさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
内野輝明
1963年生まれ、血液型A型、牡羊座。
大阪工業大学建築学科卒。
大阪の設計事務所、埴淵建築設計室、髙﨑正治都市建築設計事務所を経て独立。
一級建築士。

K邸の設計コンセプト

肘木で持ち出した深い軒の下には全長八間半の長ーい縁側。『うちの山の木』で建てた家です。(施主の)お父さんが管理してきた山から伐り出した材料を使っています。山の針葉樹林の風景を家具や建具に映し込みました。

建築データ

■家族構成:夫婦+子供1人
■構造:木造平屋建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:662.1平米(約200.6坪)
■延床面積:
1階 115.9平米(約35.06坪)
■スケジュール
設計期間:2016年5月~10月
施工期間:2016年11月~2017年5月
■設計監理:内野設計
■施工:番匠中山

その場所にしかない価値が、必ずある ―S邸―

建築家とつくる「徳島のいい家」。こだわりの注文住宅をご紹介します。

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました

[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ


House photo コレクション

▲【外観】シンメトリーな切妻の大屋根が美しい。ガラス戸による開口部を連続させることで、庭と一体となった周辺環境の豊かさを屋内へと取り込んでいる。

▲[徳島県産杉]自然乾燥の杉材を使い、職人の手によって丁寧に施工された屋根裏まわり。入念な配線や照明計画が、美しい内観づくりを実現させている。

▲[ダイニング]キッチンに隣接する1階広間。屋根の形状を活かした吹き抜け空間は、木材の心地良さに包まれている。北側にはリビング階段を設置。

▲[和室]木の香りが心地良い2階の和室。カラフルな床の間には、書道が趣味というご主人の作品を飾る予定。ゲストの宿泊スペースとしても活用している。

▲[ランドリールーム]家のセンターに配置された洗濯室。上部には2階広間とつながるバルコニーを設けるなど、使いやすさとデザイン性を高いレベルで両立している。

▲[セカンドリビング]夫婦のプライベート空間となっている2階広間には、内と外をゆるやかにつなぐバルコニーを設置。雑木林や山の風景も、暮らしの一部となっている。

▲[大きな本棚]バルコニーから見た2階広間。つくり付けの本棚によって空間をゆるやかに仕切ることで、奥にある書斎やトイレの開放感もキープしている。

▲[ピクチャーウインドウ]庭の風景を巧みに取り込んだ玄関。お父様の趣味が写真撮影ということもあり、将来的には家族のギャラリースペースとして活用する予定。

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レポート&インタビュー

二世帯の家族を
みんな幸せに

「お施主様が探し出した土地のポテンシャルを最大限に引き出し、そこにしかない自然の恩恵を感じながら、ずっと暮らしていける住まいをデザインすること」。それが、建築家の新居さんが持ち続ける信念だ。

「都会の人から見れば、自然豊かな徳島の住環境は本当に恵まれています。しかし、近年では国の方針にとらわれるあまり、住まいの性能面を追い求める傾向が強くなっている。数値だけでは判断できない本当の心地良さや、季節感のある豊かな暮らしを提案するのが、私の役目だと思っています」(建築家・新居さん)

今回の家づくりでは、家の南側にある小高い山に着目。この象徴的な風景を暮らしに取り込むため、家族が集う1階広間を南東側に配置した。庭と一体となった雑木林や山の風景は、その場所が住宅密集地であることを忘れさせる。

「“家”と“庭”と書いて“家庭”。前山という大きな環境を意識した外部空間をつくります。その庭は、庭づくりが好きなお父様が豊かな老後を過ごすための場所でもあります。今はご夫婦の二人暮らしですが、将来的に二世帯で暮らすようになってからも、適切な距離感でそれぞれが楽しく暮らしていけるよう配慮しています」(建築家・新居さん)

たとえば、お父様の部屋は地域の気配を感じられるよう道路側に配置。1階広間との間にキッチンや洗面所を緩衝空間として配置し、世帯の暮らしを緩やかにつないでいる。

知恵と工夫で
自然の恩恵を活かす

地元の杉材をふんだんに用いた室内空間の心地良さも、綿密な建築デザインによってもたらされたものだ。切妻の大屋根の形状を活かした吹き抜け空間を見上げれば、天井の細部まで職人による手作業が活きている。

「一般的な工法では天井で構造や配線を隠しますが、すべてを露出させることで木材が持つ美しさや機能性を引き出しました」と新居さんは話す。

木材は長時間かけて自然乾燥させたものが使われており「ほかの住宅で使われている杉材と比べても香りがいいし、毎日の眠りが深くなりました」とご主人にも好評だ。

ほかにも、深い軒による光のコントロールや、住まいを自然に循環するよう設計された風通しなど、日本建築の知恵と工夫を結集しながら数値には表れない快適さを創出している。

また、日々の家事を快適にしたいという奥さまのご要望を受け、庭につきだすような形で専用の洗濯干し場を配置。雨風に左右されることなく広々とした空間で洗濯が干せるため、共働き世帯のストレス軽減につながっている。

「建物に合わせて生活をするのではなく、自分たちのスタイルに合わせた家づくりを実現することができました。これも新居さんのおかげですね」とご主人。

目に見える豊かさと、見えない豊かさの両方が、この住まいにはあふれている。


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Sさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
新居照和
1954年生まれ、血液型A型、魚座。
関西大学大学院修了。
インド留学、B・V・ドーシ研究所、アフマダバード環境工科大学大学院美術科修了、東京・沖縄の建築事務所を経て独立。
一級建築士、四国大学、阿南高専非常勤講師。

新居ヴァサンティ
1959年ボンベイ生まれ、血液型AB型、乙女座。
アフマダバード環境工科大学大学院修了。
B・V・ドーシ事務所、東京・沖縄の建築事務所を経て、新居建築研究所を共同設立。

【新居建築研究所】


S邸の設計コンセプト

(建築家より)毎日のストレスや忙しさから心身が回復できるように自然素材をふんだんに生かした住空間をつくる。自然乾燥させた地場杉材を使用する。住宅団地の南側にある小高い山の緑に応答するように木造架構を組む空間をつくり、様々な居場所を包む。それぞれのライフスタイルと価値観をもつ二世帯がともに楽しく暮らしていく住まいとして、個性のある居場所が適度な距離感を保ち、外部環境と関係性をもつ多彩な暮らし領域を確保する。


建築データ

■家族構成:夫の父、夫婦
■構造:木造2階建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:335.4平米(約101.6坪)
■床面積:
合計 133平米(約40.2坪)
1階 83.8平米(約25.3坪)
2階 49.2平米(約14.9坪)
車庫 25.7平米(約7.8坪)
■スケジュール:
設計期間:2015年5月~2016年4月
施工期間:2016年5月~2017年3月
■設計監理:新居建築研究所
■施工:アズマ建設

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