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古いものをカッコよく変化させる。建築家・今瀬健太さんの小さなリノベーション

建築家が手がけると、古い建物が思いがけない姿になって甦ります。
新築価格が急騰するなか、新しい家づくりのカタチとして、建築家のリフォーム&リノベーションを提案します。

知らなければ通り過ぎてしまう“目立たなさ”

 中に入ると、つい長居してしまう居心地のよさ。なのだが……南二軒屋の住宅街に、そうと知らなければ通り過ぎてしまう“目立たなさ”で『HACHIO COFFEE』がある。オーナー橋本崇功さんの実家を一部改装した焙煎&コーヒーショップで、大きな看板がないどころか外観にはほとんど手を入れていない。

「コーヒーへのこだわりを知って、探して来てもらえるお店がいいと思った」と建築家・今瀬健太さんが言い、橋本さんが頷く。聞くと、二人は20歳代からの友達同士。「好きなものを全部わかってくれているので安心でした」と橋本さん。

つくらないデザインもあわせて考える

 「つくることと同時につくらないデザインもあわせて考えました」と今瀬さん。リフォームやリノベーションのやり方としてフルスケルトンという手法がある。壁や床を取り除いて一旦躯体だけにするので、デザインの自由度が高く、内装も外観も全く新しくすることができる。しかし逆に、今瀬さんは共存させることを選んだ。「古いアルミサッシ窓も木製の枠をあわせることでカッコよく見えたりするんです」。その微妙な見極めが今瀬さんならではだ。古いものと新しいものが共存するデザインは同時に破棄を生まない方法であり、今の時代にあった方法のように思う。

『HACHIO COFFEE』は焙煎豆の販売を中心としたショップだが、中でコーヒーを飲む人も意外に多い。橋本さんの人柄もあって、居るほどにどんどん居心地がよくなってくる。取材のあと、もう少し余韻を楽しみたくてコーヒーのお代わりをした。きっとみんなそんな気持ちになるのだ。

【HACHIO COFFEE】
構造工法:木造
リフォーム面積:約22㎡
2022年6月竣工
設計監理:Wrap建築設計事務所
施工:施主直営

徳島市西二軒屋町 1-48
電話/088-625-3757
営業時間/11:00~19:00
定休日/金曜+不定休
駐車場/4台

建築家・今瀬健太(いませけんた)

[Wrap建築設計事務所]
・1983年生まれ
・四国大学短期学部生活科学科デザイン専攻卒。
・地元建築会社で現場監督・設計業務を経験
・2012年建築設計事務所「Wrap」設立
・二級建築士

→建てようネット建築家プロフィール

建築家・今瀬健太さんの仕事

●リノベーション
【HAKONIS(沖洲マンション)】
(徳島県徳島市)
鉄筋コンクリート造のマンション2棟を全室改装。ダイニング兼用のアイランドキッチン、リビングと個室を繋げる大きな引き戸などスペースを有効活用できよう工夫。
設計監理:Wrap建築設計事務所
設計監理: 南海ホーム

●店舗(新築)
【メーアコルン ルーエプラッツ】
(徳島県徳島市)
公園のように楽しいパン屋さん。特徴的なD字型のプランは敷地と駐車場との関係から生まれた。内側の窓から採光することでカーテンを閉めずに過ごせる。
設計監理:Wrap建築設計事務所
施工:平山建設

●店舗兼住宅(新築)
【プラエ インテリア】
(徳島県徳島市)
店に向かうエントランスを工夫し、植栽→軒下→入口とレイアーを重ね深度を深めていくイメージ。2階住居には中庭を設け、周囲を気にせずくつろげる。
設計監理:Wrap建築設計事務所
施工:ディーワークス

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