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自然と共に家族が笑顔になれる家 #168

建築家とつくる「徳島のいい家」
こだわりの注文住宅(168棟目)をご紹介します

[阿南市・T邸]
設計:中村正則
施工:小野建設

Contents

[1]House photo コレクション
[2]
レポート&インタビュー
住宅取材のプロライターが施主と建築家にききました
[3]
建築家プロフィール
[4]
設計コンセプト
[5]
建築データ

House photo コレクション

「自然と共に家族が笑顔になれる」

[1]光と風だけでなく、2階で遊ぶ子どもたちの声までも運んでくる吹き抜け。書斎や寝室の障子を開けて1階の様子を伺うこともできる。


[2]2階バルコニーの下に設けたサンルーム。壁の一部に設けた庵治石がデザイン性を高めている。玄関と直接つながっているため客間としても活用できる。


[3]玄関からLDKを臨む。床や天井に張り巡らされた無垢の杉材が心地良い。キッチンには裏庭の緑が見えるように大きな窓を設けている。

[4]15センチほどの小上がりを設けた和室スペース。まだ子どもたちが小さいため、現在は家族の寝室としても活躍しているそう。

[5]1階奥に設けた和室スペースから玄関方面を臨む。仕切りや廊下と呼べるスペースは一切なく、ひたすら開放的で心地良い空間が広がる。

[6]開放的な2階のプレイルーム。将来的には建具や本棚などでゆるやかに仕切ることもできる。一直線につながるテーブルは80センチ幅の無垢材を使用。


[7]庭との関係性を重視した家づくりも中村さんの信条の一つ。砂利の上を走る子どもたちの足音は、キッチンに立つ奥さまにも届いている。

[8]ハイサイドライトや1階のサンルームから、光と風をたっぷり取り込むことが可能。夜には、行灯のような温かい表情が浮かび上がる。


レポート&インタビュー

家族の気配を感じる開放的な間取り

玄関を入ると、無垢の杉材に包まれた開放的なLDKが目前に広がる。家の中央には吹き抜けがあり、奥さまが立つキッチンや2階の子ども部屋、書斎や寝室をゆるやかにつなぐ。

家のどこにいても家族の気配が感じられるナチュラルな空間を創り出したのは、建築家の中村さん。日々の暮らしの中で家族がコミュニケーションを深めながら、小さな子どもたちが元気に伸び伸びと育っていける家づくりを目指した。

「奥にある和室スペースを含め、1階にはほとんど仕切りを設けていません。現在は2階の子ども部屋も一つの空間として使っているため開放的な生活を送っていただけます」

現在、小学生の2人の子どもを持つ施主が家づくりを検討し始めたのは4年ほど前のこと。建てようネットのライブラリーを活用し、さまざまな建築家の資料に目を通しながら理想のパートナーを絞り込んだ。

「無垢材を用いた家づくりはもちろん、家族の一体感を生み出す中村さんの設計力に魅力を感じました」とご主人。50以上にも上る希望や要望を一冊のノートにまとめ、何度も打ち合わせを重ねたそうだ。「疲れて仕事から帰ってきた後も一生懸命に中村さんからの返信メールを確認していましたね」と奥さまは当時を振り返る。


実家や近所との間に気持ちの良い距離感を

 主人の実家の敷地内に新築するにあたり、中村さんが大切にしたのが母屋との適切な距離感。外構も含め、お互いが心にゆとりを持って気持ち良く暮らせ るための設計を心掛けた。

「ご実家との間に生け垣を設けることによって穏やかな家族づきあいを育むことができます。さらにキッチンの窓の向こうに木を植えることで、緑豊かな風景を演出しながら、それぞれの家庭のプライバシーも優しく守れています」

また、中村さんの提案により、玄関のすぐ横にLDKと一つにつながるサンルームを設置。ガラスで仕切ら れた壁は屋内と庭をつなぐ中間領域となり、あふれるような光と風を1階全体に届けている。

「冬場は暖房なしで一日いられるほど暖かく、ゲストの方も気持ち良く迎えられる場所となっています。最 近は断熱にこだわる余り家を壁で覆うケースが増えていますが、太陽エネルギーや風通しを活かすことの方が本当の意味での省エネであり、豊かさだと思っています」

家族専用の下足室からお風呂場へと直行できる導線も、育ち盛りの子どもたちの行動を考えてのこと。

「これから歳を重ねて家族のライフスタイルが変わっても、この家ならきっと幸せになれる自信があります」と奥さまは笑顔で話してくれた。


Tさんの夢を叶えた建築家

[プロフィール]
中村正則
1952年生まれ、血液型O型、獅子座。
法政大学工学部卒。
森下建築設計事務所を経て、独立。
一級建築士。
建築士会バリアフリー研究会、徳島ユニバーサルデザイン研究会に所属。

T邸の設計コンセプト

新居での生活が1年を過ぎ、マンション生活との大きな変化は、奥様が友達を招いての交流、子供達の休日はあすたむらんどやゆめタウン通いから自宅の庭や周辺での外遊び、そして何より残業続きで帰宅の遅かったご主人の帰宅が早くなり休日も庭作業や子供との時間が増えたこと。家+庭の自然な『家庭生活』の始まりである。

建築データ

■家族構成:夫婦+子供2人
■構造:木造2階建て
■工法:在来軸組工法
■敷地面積:361.67平米(約109.6坪)
■延床面積:
合計 135.3平米(約41.0坪)
1階 80.2平米(約24.3坪)
2階 55.1平米(約16.7坪)
■スケジュール
設計期間:2015年7月~2016年7月
施工期間:2016年8月~2017年2月
■設計監理:M&N都市建築設計事務所
■施工:小野建設

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